2015年12月29日火曜日

2007/11/22
113打を打った日に
苦渋の日 月が見ている 苅田哉

2007/12/03
落葉濡れ歩けばそこに、の音して

2008/3/26
蕾の桜は遠くからでもそうとわかる

2008/04/02
菜の花と18歳の享年

2008/04/07
花びらの風の行方に空の色

2008/11/09
灯がともり 岩積みの湯に もみじあり

2008/11/09
秋雨の湯煙かすむ川の音

2009/04/04
チャーチの上のその上青い空

2009/11/29
街中に明かりがともり風の祝福

2010/07/27
落雷の遠くを照らす夏の海

2010/08
暁の空の遠くに夏の音

2010/08/14
カナカナとひとしきり鳴く夕立ち哉

2010/08/23
秋風の予感させるや蝉の音

2010/08/30
電柱に秋を見ている雀香奈

2010/09/01
秋風の吹くなり夏の終わり頃

2010/09/01
木陰にはいつの間にやら秋の風

2010/09/01
窓を開けたらいつの間にか秋の風になってる

2010/09/13
間近の稲光りは空を切り裂いた雷音の刹那ですな。

2010/09/22
ああそうか、闇より暗いものはこの世にはないのか

2010/09/25
地獄へと続く希望の橋、家路へと帰る絶望の橋

2010/10/18
あるいても歩いてもまた金木犀

2010/11/03
高校生がゆっくりと道を歩いてる。君らには時間は豊穣にあるが、こっちには時間がないんだなぁ、と追い抜いてく。

殺しけり 寂しく迷う 蚊を一つ

涼しさや 月は高きに 雲の上

秋風や 月は涼し 雲の上

白き月 涼しさ高き 雲にあり

秋風や 虫鳴く空に 月やあり

1995.10.26
暖かさ 秋の陽ざしの 金木犀

秋の日の 昼間に香る 金木犀

秋の日の 昼間にそよぐ 金木犀

秋の夜に 歩けば匂ふ 金木犀

鮎はねて 水せせらぎし 昼下がり

さっきまで 君の声せし 電話かな

2015年12月26日土曜日

散り急ぐ 桜の下の 春の日に 何を求めて花は見るらん

せつなさに 心 想いてすごす日に ただこの恋よ かなえといわん


夏の日の 風追いやられ 涼しげな 日のきたること 夜に伝えん

終わりかと 思いし恋を かなえとは たれの罪かと 一人思わん

今日もまた かなえられよと 願えども いつもと同じ 日々の過ぎさる

09/08
わが想い 知るや知らずや 今宵また 夢にいでては 朝に消えたり


髪をかく その匂いかな あたたかな かなえられるか 恋の訪れ

忘れえぬ 君の残り香 美しき 君の姿や かなえられしか


この街に 吹きゆく風は 古里と 同じなれども 寂しかりけり

古の 人の知らざる 街並みを いかなる声で うたうものかな

街並みに 風の吹きつる 悲しみは 君に逢えぬか 秋の夕暮れ

街並みの 風の往く道 見つからず 舞いて廻りて この地に消ゆ

いずこより 生きる力の 来るやら 思いしものの 街にありしや

心なぞ あらずと思う 心こそ 桜の花の 散りゆくものなり


桜花 おだやかな日に はらはらと 散りては舞って 水面に流るる

桜花 おだやかな日に はらはらと 散りては舞って 街に咲くかな(1994)

08/25 蝉しぐれ
夕立の 去った後こそ 蝉しぐれ

木の葉から しずく落ちたり 蝉しぐれ

青空に しずくに映る 蝉しぐれ

夕立や 虹に響くは 蝉しぐれ

夕立の 後こそ涼し 蝉しぐれ

夕立や あがりし後の 蝉しぐれ

夕立の 時だけ止みし 蝉しぐれ

09/15
秋雨に 豆腐二丁 買いにけり

林から 風の吹くなり 真夏の日

もみじ葉に 水面映して 露天の湯

絵葉書を送ろう
暑中見舞いと夏の思い出を載せて

自分の字で描こう
イロイロな思いを託して

そうだ、絵葉書をおくろう
何か歌声を載せて
声や音楽の変わりに

小さな絵を描こう
夏の思い出だから

そうだ、詩を書いてゆこう
イロイロな思いが届くから

(2000/08)
多くの人達がいる中で彼女と会った。
彼女は微笑んで、いた。
僕に向けられたその微笑は、二人の間の秘密のようだった。
僕達はいくつもの話しをした。
そのうち、雨が降り始めた、ようだ。
彼女の浴衣が透けて、その乳房と丸い乳首がみえた。
「透けて見えるよ、着替えたほうがいい」と言うと、
彼女は着替えにいった。
覚えているのは、そこまでだった。
彼女の名前はあみと言う。

(2000/01/23)

2015年12月18日金曜日

少しお話しをしませんか。
僕の中にあなたがいます。

何かしら魅せられたようです。
あなたに。

その眼差しに何かしら
心を射抜かれたようです。

君の心を教えて下さい。
僕は君に愛を告白します。

この心の中に何かしら
伝えたい気持ちがあります。

あなたの思いをどうか
僕に見せてください。

この心を受け入れてください。
返事を待っています。

名も知らぬ君へ。

(1994/04/18)
君は僕の花
この世の全て
そのまなざしの射るところ

僕の心
光り輝いて
この喜び

全ては二人に降りそそぎ
この恋は

ともに生きん
恋ならば

すべて溶けゆかん
純粋な二人のみ残らば

(1994/04/18)
冬の海に雪が降り消えてゆくように
幾人もが時の流れの中から消えてゆく
二度と戻ることのないこの大地で
昨日まで人の手と触れていた温もりも
今では宇宙で冷たく決してもう会うことはない
いつか分子原子に戻り結合するまでは

今日もおまえはこの広い天上で
一人ぼっちの旅を続ける
この広大な宇宙でお前の体は
いつまでもいつまでも冷たく

この大地からこの広い星空を見上げても
もうおまえの姿を光学識別することは出来ない
次第に遠ざかるだけか
いつか電池が切れればそこで終わりになる

それでもお前は一人で地球を見つめ続けるだろう
この広い宇宙を飛び続ける小さなお前は
の姿のまま飛び続ける地球の長距離ランナーである
後から行くものが追いつくのはずっと先であろう

2015年12月12日土曜日

還らぬ旅路に一人行く君
戻らぬ涙に一人泣く

遠い楽園にあると言うたった一つの言葉をつかむため
いつかあなたの事を思い出し
そして僕は深い想いに駆られるだろう

今日もあなたの事を思い
そして歩き続ける

遠く還らぬこの瞬間に
あなたは今歩き始めた

おお、歩き始めたのだ
朝の風涼しく、やさしく橋の上

目の覚めないこの体へ吹き上げる川風

ああ太田川、小さな川よ

だけど風はやさしく

僕を粒子に還してくれる
血の流れたような西のその太陽を見て僕は嫌だなと思う

だれが言ったのだろう
夕日が美しいだなんて

夕日は即ちその町が一日で流した汗だ
それが血の色をしているだなんて

この街に流れた血の塊が夕日に映り人々に見せようとする
今日一日もこんなに血が流れたんだぞって

しかしそれに気付く人々はどこにもいない
人々は信じているのだ
夕陽は美しいと

だから僕は雨が好きだ

雨は流れる
それはこの空気を洗い流しこの建物を洗い流しこの大地も洗い流す

雨は夜まで振り続けるだろう
その日の空は暗く蒼い

街中を流れる雨は街そのものを洗い流し
そして新しく生まれ変わらせてくれる

空の暗い中
雨はその一滴に清い思いを込めて
人々の町に降り続けてくれる
冷たいそのドアのノブに手を掛け僕は外に出る

外は暗く藍色の空がある
驚いた事に雪が降っていた
雪は玄関のすぐ側まできて積もっていた

僕は手摺に腕を組み空を見上げた
その瞬間、僕は雪となった

藍い空から降る雪は電燈の光りを帯びて蒼白く浮き立っていた
それはまさしく降っていた

まるで自分の力で飛翔するかのように降っていたのだ

蒼く発光し僕を目指すかのように辺り一面に
蒼く澄みきったその広い大空から降ってきた

そこはまさしく美の世界であった
暗く蒼いその世界とその蒼い雪はまさしく美の象徴であった

次の朝、人々は真白に覆われたその世界を見て喜びそして驚くであろう
しかしその人たちがその数時間前のその景色を知らないということを僕は残念に思う

2015年11月28日土曜日

君がいつか見たいと言っていた
海を見に来ました
僕一人で


一人で見る海は何も語らず語りかけず
ただ静かな陽射しを浴びて波が崩れます

砕けた波は白い細かい粒となって
砂浜に消えてゆきます


貝殻はその中でただ静かに
ただ揺れています

波は変わりなく崩れます

それはどんな音楽よりも長く続く
単調でそれでいて飽きることのない

例え一生この音を聞いたとしても
僕の心は動かないでしょう

波の音はいつまでもいつまでも
それは空に輝く星々の歴史のように
朝、目を覚ます僕に君はおはようと言い

台所に立っていた。

コーヒーが欲しくて起き上がる

朝はすがすがしく

二人きりの生活はいつもおはようから始まる

朝、目を覚ます僕に君はおはようと近付き

僕にくちづけする

やさしく目が覚めて

それでも欠伸が出る

全ての人々が幸せに見えて

おはようの言葉がいつも響く

朝、食べた卵焼きはいつもの味と違うけれど

おいしくて、おいしく思えて、つい

笑顔になってしまう

楽しい会話の中で僕は仕事をし

今日はもう終わりと早めに終わる

それから彼女と街へ出る

楽しい時間はいつまでも続き

仕事は進まないが気にしない

朝、目を覚ます僕に君はおはようと笑い

今日も一日が始まる
やめろよ、そんな叫びも通じない

口に出せない怒りは通じない

人の世に生まれた限り

みな生きて

それでも命は

僕の体に流れる血は

いつの間にか流れ落ち


やめろよ、そんな声は届かない

口に出せない行動は見向きもされない

人の子として生れた限り

みな笑い

それでも命は

僕の体に宿る心は

いつの間にか流れ落ち


遠くどこかで走る人は

それでも生きてみて

それでもそんな目をして

僕らにとって恐ろしく

余りに悲しい目は

生れた限りは人として


みな生きて

それなのに

彼らの目はもう人ではなく

人ではなく、人ではなく

それでも彼らは人でなく

2015年11月21日土曜日

もうすぐ死ぬというのに僕の手の中でまた光ってるホタル

君は僕の手にいつまでも居てもいいんだよ

飛べない最後ならいつまでも居てもいいんだよ

飛べない最後なのにいつまでも光り続ける

弱く緑のかかった黄色い光は

この真っ暗な空に似合い

そして一つの川となる

その光はゆっくりと

ゆっくりと

光り続け川となる
たまらなく多くの人たちが立ち止まる交差点で
ただ足踏みしている人達はたちまち道を塞いでしまう

彼らの内、何か考える人は幾人いるだろう
その目は立ちはだかるコンクリートのビルを見
目に映るものの中に太陽も鳥もそして草もない

そんな世界でも激しく言い合いただ生きる人もいる
彼らはコンクリートの囲いの中で生きているようで
吸う空気はほんとは何であろう

その空気は冷たく気持ち良かろうが
それは風でもなく草でもない

そんな中でふと何かを想うがそれは
いつの間にか消えてしまいまた生きる

掴もうとする前に彼らは動きだし
気付かずにまた交差点を渡る

多くの人は笑っているがそれがまるで
石膏の人形のようみ見え操り人形のように見え
それもいつの間にか忘れ

みんな夕陽を見る事もなく川の風を感じる事もなく
コンクリートの中を歩いて消えてゆく
温かい毛布の中で
その中で温もった空気は
何故か美しく温かい

心に沁みる温かさは
君自身によってつくられる

冷たい毛布も
いつかは温かく
君を包んでくれる

君がいま捨てる家庭は
どこへ行けばいい
君の心はどこへ行く

体を癒してくれる温かさは
冷たい毛布の中にある

冷たい毛布も
いつかは温かく
君を包んでくれる

心に沁みる温かさは
君自身によってつくられる

2015年11月13日金曜日

川のようにいつまでも流れ
私はその中で流れてきた

色んな世界をみ
そしていつの間にか

水はいつもきれいだったはずなのに
そこにあるのは黒い水

私はその中で泳いできた
そしていつの間にか

そしていつの間にか
私は海に出た

海に照る太陽は余りに暑く
疲れた体を癒してくれる
波はやさしく

そしていつの間にか

そしていつの間にか

浜に打ち上げられた私に
波はいつまでもやさしく

やさしく洗ってくれる
霧雨の中でずうっと立ち尽くす僕に
君が差し出したコート

そのコートも今では古ぼけて
どこかにいってしまった

時の流れは余りに早く
僕の想い出を奪ってしまった

あの日の帰りに君と入った小さな店
そこで頼んだココアは甘かった

その甘さも今では忘れてしまい
コーヒーの苦さが分かるようになる

時の流れは速く
甘さよりも苦さの方を
好きにさせてしまった

遠い昔
君と歩いた町並みは
今僕が家族で歩く

その幸せな家は君が
教えてくれたのか

その思い出を忘れた
遠い昔もう思い出せない
深い流れのビル街を必至に泳ぐ君は若者で
それを助けるのは君の何だろう

街中の流れは余りに速く
どんなに泳いでも疲れるだけで
助けてくれる人は誰もいない

もう止めるかい
君の体はもちはしない
そこまで先を見ず話を聞けよ

なぁ話を聞けよ
もういいじゃないか

そんなに先に進むなよ
そこからは流れは速いぞ

それでも真っ直ぐ行くのか
どうしても
真っ直ぐ先に

そうならば
おれを置いてくなよ
お願いだから

2015年11月8日日曜日

夜の雨が好きです

なにもかも静まり帰ったとき

さわやかな風とともに

かなしみを流してくれる夜の雨が

好きです

暗い夜に見えないうちに

どこかに流れます

さあ寝ましょう

明日はきっといい日だから

心が真っ白な

いい日だから
あのきつねが朝、目を覚ました時に

空を見上げて鼻を鳴らしたとき

今日、こんな目に合うと思ったろうか

自分の命が今日限りなんて疑わず

巣を駆けだした

躍動する君の足

熱い血潮を燃やした所に僕がいた

信じられぬと目で見て、そして、そして、

君の閉じる目は僕を見て

撃った僕を見て
フケがヘッセの詩集に落ちた

うすあかるい光りが蛍光灯にあり

ラジオから歌が流れる

天国から見えない夜空を想い

その下で寝る幾千もの人のことを想う

ヘッセ詩集をめくり僕は思う

2015年10月29日木曜日

森の奥に降る雨と霧の違い

分かりますか

いいですね

清水が流れて

あなたがいるから

いつまでも

ここに立っていれるんです
ホタルがとんでいます 田んぼの近く

消えてしまいそうな光りなのに

まだ消えません

ほのかな香りとともに

飛ぶホタルは 僕らみたいだね

ほのかな小さな小さな光はまだ消えません

うたをうたいましょう ホタルとともに

どこかへ行ってしまいそうなのに

まだここにいます 小さな光とともに

飛ぶホタルは 僕らみたいだね

ほのかな小さな小さなホタルはまだいます
こんな海で心を動かすなんて
なんて人間だろう
決してきれいとは言えない海に
心を動かされるなんて

あの太陽だって
僕を笑っているはずだ

昔の人間はもっときれいな海を見て
喜んでいたんだとね

でも僕はこの海でいいのだ
こんなに汚くても

一人で砂浜に座って
ただ見上げるだけで
雨に当たってただ歩きたい
服は濡れて髪から滴が降りるけど
ただ雨に打たれたい

彼女に振られてわけじゃない
その逆さ

だからこの体が火傷する前に
雨に打たれたい
髪から滴が垂れている

今日誰かが死んだんだろう
この雨はその人のために降っている

彼女に振られてわけじゃない
その逆さ

2015年10月23日金曜日

僕らの横を通り過ぎたよそ風は
今、川沿いを走っている

道はどこまでも続いているわけじゃないけど
二人でずっといれる

あの木の下で休もう
草の上に腰を下ろして
二人で語ろう

今の僕は盲目さ
君はまるで目隠しだね

ただ光りしか見えないよ
太陽ではない

長い髪がそよ風に流れている
草もサラサラ笑っている

道はどこまでも続いているわけじゃないけど
よそ風に当たっていたい
100円ライターに火を点けて
夜空を見上げてみると
雪が降っています

何気なしにここに佇んで一時間
あそこにいる男は何を考えているのだろう
あいつの心に入り込んでいっしょに話をしてみたい

あの教科書に載っていた写真の南米人
今どこで何をしているのだろう
何を考えているのだろう

彼に教えてあげたい
知ってるかってね
夜の雪は白ではなく青い色をしているんだよとね

夜降る雪は解けてどこに行くんだろう
この雪だってもしかしたら
人の体を作っていたものかも知れないね

何かを覚えているかも知れないね
夜の雪は白ではない
青い色をしているんだよ

知ってたかい
君の瞳が僕を見つめる
いや僕が君を見つめたのだ

僕は僕の心の中で
君の事をこんなにも
はっきり描くことが出来るのに

君の心は僕を見つめてくれるのか
そんなことを想いながら僕の心となってゆく

君の心はいつもいつの間にか僕の心となってしまい
僕はほんの少しの希望を笑いながら捨ててしまう

透き通った真っ白な太陽と白い雲と
それを隠し切れない木の枝々と

雲から真っ白な透明な朝の太陽が漏れていた
それを隠し切れない木の枝々から
小さな光速

2015年10月17日土曜日

ある日 僕は 彼女の 瞳の前
心の 戸口を ノックする
寒いよ 外は 冷たいよ僕

だのに返事は もう以前から 聞こえてくるのに
扉は まだ 開かない
僕は 寂しくなる

どこから 聞こえてくるの
何時から 聞こえるの

歩く音 扉に 手を掛ける
クス クス 笑ってるの
意地悪だな

トン トン
僕は もう一度 扉をノックする
繰り返し、繰り返し

枯葉舞う 寒空の下
真鍮に輝く朝の太陽
この青い空において
ただ一つの偉大なる風

風色の光りが冷え切ってしまった
この空と砂浜を照らしている

もう幾分の水分もない落ち葉に
水滴を降ろしたのもこの光りなら
僕の瞳の中に音一つ立てずに
やってきたのもこの光りなのだ

何処へ行ってしまった
愛しいあの人は
いつ?

この空の上にも夜が隠れている
太陽の他に何もないと思ったって
夜がそこに隠れている

目を凝らしてごらん
そこにもあそこにも
ビルの隙間にも
夜があることが分かるだろう

隠れてるなんて
ただ見えなかっただけ
空に太陽しかないから

空をもう
ほとんど見る事もなくなって
ふと見る時は太陽だけを見ていた

だから空に夜が隠れていたなんて事に
気が付かなかったんだ

だから
ああ生地の薄そうな灰色のマフラーをして
黒いカバンをかかえた君が通り過ぎてゆく

ああ君が笑いかける
それはまるでおどけている僕を
笑ってるかのようだ

君が笑いかけている
僕に
信じてよいのかしらん

僕に
ああ君は
僕が最も好きな人であったのだ

君はこちらが望まなくとも
初めからそうである人だったのだ

君が笑いかけている
君が笑いかけてくる
僕に

君は後に母となる人
僕に
君が笑いかけてくる

(01/24)

2015年10月10日土曜日

人には時々涙したい時があります

涙流して
自分も泣くことが出来る人間なんだと
自分も人間なんだと確かめたい時が
あるのです

この顔を伝わって行くものを想うのに
涙は流れてこない
これはどんなに悲しい事か
それでもやっぱり涙は流れはしない

君への想いを涙で伝えたいのに
頬を伝わって行くものは何もない
その時に僕はどんなにこの胸の内を
爆発させてしまいたいか
涙と供にすべてを語れたなら

この僕の目に映るすべてに
涙を流せたなら
すべてを語った事になるんだ

それなのにこの瞳からは
何の水滴も落ちては来ない
君の目の前で
もし僕の瞳から落ちて来たならば
そうなったならば
僕達はその口から何かを語る涙を持つだろう
あんなに
君を求めていた僕は
いつの間にか一人で苦しんでいる

その冷たい蒲団の中で
寂しい思いに駆られる者は
いつも一人で苦しむ

どこの誰もこの苦しみを
分からない

いつも何も知らない奴らが
詰まらない事だけを言う

あなたでさえ
この苦しみを知らないのだ

だから僕の目の前から
その廊下を君が歩いていなくても
僕は一人きりで苦しんでいる

君を一目見る事に
何の意味がある

僕はいつも一人で苦しんでいる
何を迷うか
さあいっちまえよ

そんなことは誰も言わない
君と今日
一度も会わなかった

君は今日
どんな一日を過ごしたのか

今日一日見たものは
何だったのだろう

少なくとも僕は
その一部さえ知ってはいない

これではまるで他人じゃないか
だから僕はいつも一人で苦しむのだ

(01/22)
誰かがこう言う
僕らの船出の時だって
どこへ行く
どこへ飛ぶ

僕に何の別れも告げずに
君は行ってしまうのか

君は自分の足で
もう歩いて行くのか
青空の下を

同じ大地と人は言うけれど
そのことに何の意味があるのか
あいつは目配せもせずに
行ってしまった

僕が気付いた時に
奴はもうここにいない
消えてしまったのだ
わかるか

彼は何も言わずに
行こうと言うのだ
僕に会わずに
奴は行ってしまったのだ

(01/22)

2015年10月3日土曜日

その笑顔が
いつの間にか長くなった髪が
いつの間にか遠く離れて行く

僕の腕の中
瞳の外へと去ってゆく

ああどこへ行く
君を引き止めるのに
何の重力もないのか
この思いは

どこへ歩いて行く
どこを歩いてる
君のその瞳が
今、何を見つめてる

雪の降りそうな青空の下
見つめるものは何

この木、この校舎
僕の姿はもうその中にはどこにも
ないというのか

どこへ行く
どこへ行った
僕の僕の
目の前へ
もう一度

(1/22)
11月だって
11月だって
今日は何時だ

もう一月も中旬だ
なんということ
もう半年も経ってしまってる

この学校で
あの廊下で
そしてあの教室で

既に半年もの月日が経ったのか

(1/22)
いつの間にか時が過ぎてしまった
人がどんなに頭を働かしたって
時間を捕まえることなんて出来やしない

僕が考えるのに
哲学なんていらない
人を動かすのに
暖かな秋の陽射しと
初冬の寒風さえあればいい

自殺をした少年がいた
彼も生きていた
されど僕も生きている
もし彼に恋する人がいたならば

僕はもう待つことが出来ない
時間の中で痛くて堪らない
僕の脳が化学結合をしたり
しなかったり
そんなのは嫌だ

例え僕の体が分子のみの
集合だとしても
僕は生きてゆく

もっと熱く自分を鍛えよ
もっと血を熱く
誤魔化しであったとしても
僕は彼女と結ばれたい

(11/21)
隣にレースのカーテンを引いた
窓が見える
僕と同い年の女の子が住んでいる
背は高いようだ

風呂上がりの僕は
髪から水滴を落としながら
本を読む

レースのカーテン越しに
人影がする
セーターを着ているようだ

僕は今までどのような映画からも
受けられなかった実在の空間へ
入ってしまった

この窓越しにいた人は
まさしく生きているのだ
僕は顔も見た事のない
その全く知らない生活というのを
彼女が部屋の内で歩くことによって
僕に示したのだ。

僕は人が生きているということは
感じることが出来ないと思っている
しかしこのとき彼女が示したのは
生きてるという心ではない

生活というものだ
僕の全く知らない人のその生活を
僕は見てしまったのだ
しかも女の子であったとは

僕は彼女の示した
その動作から
彼女の生活というもの
そして
彼女が一つの意志をもった
人間であるということを
あらためて知ってしまったのだ


(11/11)
これはあなたの仕草ではないか
そういう錯覚に襲われる

友達と話をしているとき
ふと
眼鏡をかけ出してからは
さらに酷くなっていく
この笑いはあなたの笑いだと

この頷き方はあなたのものだと

これは何を意味するのだろう
僕の無意識な
あなたへのコピーだろうか

それともこれは
あなたと僕が兄妹であることの

どこかであなたと僕が
結ばれていることを
示しているのだろうか

(11/10)
もう遠い昔
もっと僕が幼かった時
僕は始めて恋を知った
君に会った時だ

僕は教室で
どんなだったろう
今は悲しむように
思い出すしかない

もっと幼い恋ならば
僕はこんなことも考えず
ただ生活の中で
あなたがいればよかったでしょう

でも今の僕は違うのです
僕のこれまで見てきたものの
すべては
すべて君というフィルターを通さなければ
もう思い出す事が出来ないのです

僕にとって僕の想い出は全て
あなたに聞かすための物語となったのです

もっと幼い恋ならば
僕は僕の為に自然の中で
寝転ぶこともできたでしょう

しかし今の僕は
草の息吹も花の香りも
そして木々の風も
すべてあなたに贈る贈り物と
なってしまうのです

あなたとの暮らしを勝手に想像して
これからあるべき生活を考えてみるのは
実に楽しいことです

しかし忘れてはなりません
その考えは一息ついた途端に
すべて忘れてしまってると
いうことを

(11/09)

2015年9月26日土曜日

たったこの五文字のあなたの名前に
あなたへのすべての想いを入れよう。

・・・・・

(11/9)
僕が
窓を開けると
風が入ってくる

外ではおばあさんが枯葉を集めてる
風は僕を通り過ぎ
僕の後ろを歩く人の髪に
捕まえられる

そして風よおまえはまた
通り過ぎてゆく
僕はその中にある一人の人を
見つけて
思わず微笑んだ

僕の作った風の悪戯に

(11/9)
北風よもっと吹けさらに吹け
そして僕はこの冷たい空間に
身を捧げよう

さあ風よ
この冷たい空気に満たされた
この場所に

さらに冷たい空気を
運んでこい

でなけりゃ
この赤く染まった頬は
隠せない

(11/9)
お互いのことを忘れ
もっと好きになる人ができるかもしれない
そんな生活にもあと少し

もう君とも会えず
違う人の中で生きてゆく
今は悲しいそんな時

僕は笑いながら生きてるのだろうが
では今の僕にとって
君は何であろう

少なくとも僕は
君を僕の一生の伴侶として
そう考えてゆきたいと

別れることで
もう終わる
そんなのがこの世なら
僕は潰してみせる

決して忘れてはならないし
思い出してもならない
君の温かさは
つねに僕と共に

二人はいつも寄り添って
歩いてゆきたいと
何よりも生きてきた者として
星空にある一個の生として

(11/8)

2015年9月19日土曜日

四方を山に囲まれていて
その間に僕の土地がある
ここにいつか君を連れて来よう

家の庭から
大きな山のその上に
沈みつつ太陽が
赤く染まっているのが
見える

その山の下には道がある
左から右へまっすぐに
右へ行く着くと
その道はこちらの方へ
ある

庭から見れば
右の方を向けばいい
その道は途中で二つに
別れている

上の方へ行けば
更に奥へ
下に降りれば
この辺りの家々に通じる

左を見れば川があるが
見えないだろう
ススキが生い茂っている
そこには栗の木があるが
見えるわけない

そこの山には
神様が祭られた
小さな建物もある

そしてこの山々に囲まれて
一万に田がある
所々トタン屋根の小屋
と黒い土の畑だけ

庭を降りて
右へ行けば
家に

道の左側に蔵とお風呂が
ここで左に曲がれば池に出る
まっすぐ進めば畑がある

大きく蛇行して
水源地もある
水が威勢よく落ちて
田の方へと流れている

その先にはさっき言った
二つに別れた道がある
舗装されている
その道を通って家へ帰ろうか

昔、牛の角を切った建物も
ある
もう少し行くと自動車小屋があって
畑と家も見えてくる

この家にはまだ牛がいるんだ
そしてこの間に大きく下った砂利道がある
意志が真っ赤だろ
錆色というのかな

そこを下りればもとの家だ
古くなったガラスが見えるだろう
牛小屋とに囲まれた所を通れば
もう玄関がある

さあ入ろう

僕が君と歩いた道だ
そうかい
そうかい
好きになってしまったのかい
まあ頬を真っ紅にして
  そうお婆さんが少女に言いました

かわいい顔だよ、今のおまえさんは
うれしいねぇ
いつの間にかおまえもそんな歳に
なったかい
ついこの間まで庭でスコップを持って
遊んでいたのにねぇ

おやまだ話をしたことがないんだって

そうかね
そうかね
つらいかね
名前もわからない人を
好きになったのは

おや涙なんか貯めて
泣き虫だね
おまえさんは
人を好きになるというのは
時間じゃないよ
おまえの愛し方は正しいんだ

そう
その人もおまえのことをじいっと見るの
それはよかったねぇ
おや暖炉に薪をくべなくっちゃ

火が燃えてるよ
あたたかいねぇ
おや疲れてきたかい
そう
じゃあお婆さんがおまえに
とてもすばらしいお話をしてあげよう
そして明日の朝、目が覚めたなら
そのいっぱい溜まった涙を集めて
その人に会いにおいき

(11/08)
通り過ぎてゆく瞬間に
思わず僕は下を見た
そして
そして
僕は通り過ぎる君を見る

これが恋だ
これこそ恋だ
弱さに震え臆病者に
与えられた唯一の恋だ

君は僕を見た?
目が合った?
ぢいっと見つめた瞳も
下を向いてしまう

それでもいいのかい
それでもいい?

そう
いつかそんな自分が嫌になれば
僕の手が勝手に
君に触れるだろう
この足もまた
君の所へ行くだろう

そしてこの瞳は
もう二度とためらわず
君をまっすぐに

そして頬を真っ赤にして
頭の変になった僕は
君に訳の分からないことを
喋り始めるだろう

2015年9月12日土曜日

冷たい廊下
人はただ通るためだけに
歩くのに
僕は
その中に居るはずの君を待つために
そこにいる

誰にも解らないように
話しをしながら
僕は待つ

話したこともないのだから
声だって聞いてみたいよ
顔もよく見たい

冷たい廊下にて
君を待つ
君が片方だけポケットに突っ込んで
それは右手
けれども歩いてゆく
外へ出した手はどうしたの

誰か触れるのを待ってるの
それとも

教室へ入る
40もの人が生きてる空間だ
冬だから
そこに風は入る事が出来ない
人の息だけが漂う
それがこの教室だ

まだ若い学生らが住む
これが教室だ
窓を開ける事を知らない
人の息だけそれが全ての
その教室に

人がいる
人がいる

人もまた有機なのだな
人臭い息だけに満たされた
この教室に
あるものはあるものは
吐いたもののような
そんな匂い

僕は思わず風の中へ
風吹く冷たい外へ
出てしまふ
これはこの世で最も崇高な
僕の詩だ
ゆきこ

君はいつも消えていく
僕の視界から
ゆきこ

生れた時からの運命だったのだね
僕らは
いつもいっしょに過ごしていても
ちっとも退屈じゃないし
きっと
そう思っていたいんだ

温かいセーターを
編んでおくれ
毛糸を上手に編んでゆく
その指に僕のくちづけを

ストーヴに火を灯し
石油臭い部屋が温かくなって来たら
こたつに入って
みかんを食べよう

一人のかわいい女の子がいい

他愛もない話をしながら
僕らはいつの間にか優しく
抱き合うんだ
君の目はきっと
ゆきこ

僕はいつも夢見てる
君がいつもその瞳で僕を見ていることを
それは僕が君を見る事と全く
同じことなのだから

(11/8)
是非もう一度あの時へ
初めて僕の中で何かアタタカイものが
僕の心の中でモヤモヤとして
そして僕の中で何かを捕まえようと
走り回ってた僕

是非もう一度あの日に
君が立って僕が椅子の上で
友達らとの間に
僕は君だけを見ていた
君もそうであったように思う

是非もう一度あの時に
今思えば羨ましいほどの
その時の僕
何故あの時のことを
今になって懐かしい想いで
思い出さねばならないのだろう
あの時に帰って僕はもう一度

もう一度
恋とさえ言えない気持ちで
君を見なかった僕なんて
実にもったいない

あの時にならもっと何か喋れたはずだ
もっともっと色々なことも聞けたはずだ

(11/7)

2015年9月5日土曜日

別に君を笑わせれる訳じゃない
君に珍しい知識を教えられる訳でもない
優しい歌声も美しい絵も僕にはない
ただ無声に君を抱くことしか
僕には出来ない

ときどきふざけてみたり
でもそれが限度で
それ以上のものなど
とてもとても与えれません

そんな面白みも何もない僕に
君は余りに笑い過ぎるような気がします
あまりに歌が上手であるような気がします
それでも君は僕の所へ来てくれるでしょうか
それでもまだ君は笑ってくれるでしょうか

ただ
僕は君と話しをしてどうという訳じゃあない
ただ
君がいて如何なる訳でもない
それでも君がいて欲しい

君が僕と全く違う種であるのなら
ぜひ僕をどうか笑わして欲しい
僕の所で優しい歌を
ピアノの旋律に乗せて
僕は惜しみない拍手以外
何も分け与えることなど出来ませんが
それでもぜひ君が必要なのです
黒い学生服の下
豊かに膨らんだ胸に
あたたかな君を見るのは
僕の勝手な思いつきでしょうか

紙が風に吹かれて
赤い頬をさせて階段を上がってくる
君が一瞬こちらを見たと思ったのは
僕の単なる自惚れでしょうか

デパートのエスカレータ
君が居る事を知り君を見ていると
君がだんだんと僕に近付いて来た
これも単なる偶然でしょうか

学校で僕はいつも君を探している
それなのに君はなかなかいない
教室の中で扉一枚で
たった5m離れているだけで
僕らはもうどうしようもないと
嘆いてしまうのは
単なる悲しさでしょうか

この空がどこまでも続いていて
この僕の見ている星を君も見ている
そんなことを思って喜べないのは
それが偽りだからでしょうか
それとも弱さでしょうか

空も星もこの大地でさえ
僕には何の関係もない
ただしっかりと君の手を握っていたい
それ以上のものなど何もいらない

ただお互いの顔を見つめていたい
そしてその時になって
初めて星明りが欲しいと
願いだけなのだ
2年前のことです
寒い日でした
かじかんだ手を固く握って
肩を縮ませて歩いてくる君がいた
廊下でのたった数秒のことであったように思う

その次の授業は何も覚えていない
ただ胸の中に何かが生まれているような感じだった以外には

アタタカク
そして何も耳に入らず

何かを一生懸命に捕まえようとしていた
そうであったように思う

卒業しようとする今になって
僕はそのことを思い出した

確か君は合唱大会の日
ピアノを弾いていた
僕は友達の眼鏡を借りて
君を見た

マラソン大会の日
君は赤いジャージで体操をした
みんなと同じように
僕はそのとき君を見た
アキレス腱の柔軟の時だ

そしてその帰り
駅ビルでだ
僕は友達を3人で
お好み焼きを食べてた
そこへ君が来た
3人でだ

くやしいことに
そのうちの一人がここはダメじゃねー
と冗談半分に言って
向こうへと行ってしまった

でもあのときの君の瞳を
僕は今も覚えている
それでもとっても嬉しかったように思える。

それから・・・

一年生から二年生へ上がるとき
クラス編成の髪が掲示板に貼られていた
そのとき君が確かこう言ったのを僕は聞いた
"ちえっ違うクラスだわ"
何か寂しい心持ちで走り過ぎてる
君を見ていた

それから・・・

何かの時だ
僕は生徒会にボールを返しに行った
クラスマッチの前の頃だ
そして
ボールを返しに行ったとき
君がいた
初めて話をしたのだ
ボールを君に渡したんだよ直接に
君がボールを蹴って
カゴの中に入れようとしたのを僕は見た

ボールは見事に外れて跳ね返ってきた
僕は面白く思い嬉しかった

体育祭のとき
君は生徒会の一人だったんだ
一生懸命生徒会の中に入って行ったのに
君を見たのは2~3回だけ

それから少し・・・

いつの間にか君はあの長い髪を切っていた
パーマをかけていたでしょう

この頃は遠く離れていた
いつの間にかパーマが消えた

秋になり冬になり・・・
そして春

2回目のマラソン大会のとき
君を見る事はできなかった

2回目の文化祭
僕にとって最も素晴らしい時だったんだがね
この文化祭のパンフレットを今も持っている
僕はこのパンフレットで君の名前を知る事が出来たんだから

修学旅行の時
一回だけ君を見た
冷たい白樺でだ
霜がかかってるような所で
君は真っ白なズボンを穿いていた
僕の知る唯一の君の私服だ

三年生のとき
口唇を切った
病院へ直ぐ行って
学校に戻って来たとき
君を見たように思う

僕は君にこの口唇にキスされたらと
バカなことを思いつつ
いつの間にか傷も消えた

文化祭の日である
講堂にみな集まっていた時だ
僕らのクラスは徹夜だった
まだやりかけだったので
クラスに戻ろうと
講堂の中の階段を下りて行った

その時だ
君にぶつかったのは
最初「ごめんなさい」と言った
そして当たった人を見た
君ではないか

これは僕らが話をした2番目なんだ
嬉しかった

そしてその次の日だったと思う
君は僕のクラスのケーキを食べに
友達らと来た

食べてさっさと出て行った
ウェイターをしていればよかったな
そんなことを思った

その後

もう語る必要もない
忘れてしまうくらい
君のことばかりを考えていた

お弁当を食べてる君
クラスへ向かう君
話しをしている君
笑いながら歩いている君
階段を昇ってくる君
それから

朝のなか真っ赤になってやって来る君
僕の方を見た君
階段の僕を抜かしていった君
僕の真横をだ
何を思っているのか
意地悪そうな君の瞳が
そっと嬉しそうな笑みを浮かべる
そう?
僕のこと好き
いいえ おもしろいのよ

君が来る
友達の話しをかすめ
こちらをちらと見る
ああ僕のため?
僕も好きなんだ
そう それで?

君の心は僕には分からないから
話しかけるは僕の心の中の君
いつも素直だよ
いつも話してる
僕のこと好き?
ええ愛してる

僕は君の瞳を見ない
何故 心はこんなにも求めているのに
愛してる?
そう言われているようで
はずかしい


何を思っているのか
君が友達と笑いながら通ってく
でも僕には見える
意地悪そうに俯いた
赤い頬の君のその瞳が

2015年8月29日土曜日

僕の中で演奏されている音楽が中断される
寒い風も校舎の落ち葉も
多くの学生たちの歩みも
ああ
あなたがこちらへと近づいてくる

僕は自分をぎゅっと握り
あなたを見る
顔を上げあなたの足もとから
目を
眼鏡の奥から二つの瞳が
口元に浮かべた笑みが
全て僕のため?
それとも嘲り

僕は既に体を捨てた
心はその瞳の真ん前にいて
君の心をノックしてる
ああ声が聞こえてくる
"はい どなたですか"
"あら あなたですか"

意地悪そうに瞳が
瞳がああ
僕がすれちがう
僕は後姿の君を見る
何故もっと声を
返事をしてくれないのです?
その瞳は何を語る?
好き
嫌い
そう好き?
あなたなんて嫌いよ

大きな瞳は
もう何も語らない?
それとも

君の心は僕を知っている?
僕の熱い瞳のことを
知らない
知っている
嫌な目だわ
えっ迷惑ですか
ええ嬉しいほど

明日また僕を見つめてくれるかな
僕の体の中から
恋の虫が生まれ
僕を食べつくしている。

あなたに見つめられるたび
この虫が大きく
血が体の中から溢れ出す。
また明日僕のことを見てくれるかな?

好き
嫌い
そう
いえっ大好きです
秋の風吹く日にあなたを・・・
口ビルと口ビルを重ね口づけをしよう。
手と手を合わせその温かい胸に押し当てよう。

空を覆う雲。
そこから冷たい空気が落ちている。
手をカサカサにしてしまう風が
落ち葉を散らし
土を冷たくしてしまう。

かじかんだ手をポケットに突っ込んでも
温かくならない。
冷たい風が降ってきたその日には
あなたの手を取り
温かい息を感じ合うのです。

きっとあなたの温かさが
その頬を赤く染めてしまうでしょう。
そして僕を見上げるその瞳は
あなたをますます温かくするのです。


明日は学校です。
少し早目に家を出ましょうか。
人の少ない校舎の中には
まだ秋の冷たい風が潜んでいます。

白くもない廊下を歩けば
その風が僕の目を潰そうとするでしょう。
眼鏡をかけて僕はまっすぐに
そして校舎の横にある
黄色い葉をつけている木の下で
僕はじいっと待つのです。

あなたが赤く染めた頬と風に遊ばれた髪と
そして白い息をはずませ
急ぎ足でやって来るのを。
朝 僕は君を探す
何故 何故 話をすることなど出来はしないのに。
君の瞳に僕が触れてしまうだけで逃げてしまう。
泣く 泣く 手と手を 僕の口唇に
重ねてしまいたいのに。

勇気 勇気 勇気
この偉大な言葉でさえ
僕の中ではひ弱な臆病さでしかない。

詩を作る?

この体の中で熱く締め付けるこの想いは何だ。
君に見つめられたとき口元に抱きしめたい程の君の笑みが
この笑みを捕えた僕の心の安堵は何だ。

君が帰ってしまう放課後に学校の中で君を探してる
僕のこの悲しみは何だ。

すべて すべて すべて。
思い出す度に君の体を抱きしめてしまいたいと
制服姿の君のあの笑みが僕の中に
言葉にしつくせない。

この大きな心の海に漂う
この暖かさ やさしさを
僕に与えてくれた君を
どのようにこの腕の中に
しっかりと捕まえれば良いのだろう。


雲の間の真ん中から真っ白な透明な太陽が
まるで雲を着飾ってるかのように
辺りを白く染めている。
それを隠しきれない木の枝々から
漏れてくる小さな光の子供達。

2015年8月21日金曜日

長い時間いつも
恋をしていなければと
心のどこかで感じていたらしく
僕はここまで来た。
もう二年も前に
君と出会っていたというのに。

愛しい君
君はあの少女の髪を僕の知らない涙で
いつのまにかバサバサにしてしまった。
少女の髪にもう触れることはできないということに
思い出をひっくり返して
今の僕は昔の僕に羨望する。
二年も前、すでに恋していたのに。

君が僕を愛してくれているのか僕は知らない
ただ僕は君を愛してる。
そのことを僕は知っている
心はいつも君のことを求めている
そうなったのはついこの間のこと

君の瞳が僕を見つめてくれる
いや僕が君を見つめたのだろうか。
僕は君の事を
僕の心の中でこんなにもはっきりと
描くことができるのに

君の心はいつもいつのまにか
僕の心となってしまう
僕はほんの少しの希望を
笑いながら
捨ててしまうのだ。
桜のつぼみは遠くからでも良くわかる

(2009/04/03)
温かい冬の終わりに降る雪は

アスファルトを蒸らし木々に舞う

その裸を温かく濡らすならば

桜の花も散ってしまえばいい

(2007/03/22)

2015年8月12日水曜日

二千六年元旦
言葉の届かぬから孤独

人が二百年経て
やっと気づく時代

線が大切
絵も音楽も

音で線を引くのが見える

(2006/01/01)
ビルのボイラーから吹く風に
落ち葉が蝶のように舞う

冬の訪れの足音のように
木の葉が音を立てて
地面に落ちてゆく

木枯らしが空を駆け抜けてゆく
その足元にザクザクと音がする

夕暮れの中
街の明かりが灯り始めた頃に
ハッと目を覚ます何かがある

そして気付いてしまうのだ
それに興味がある訳ではなかったと

そんなものは捨て置いて
空を駆け抜ける
その一団へと参加してゆく

(2005/12/06)

2015年8月7日金曜日

もっと冷たく秋の雨

誰かが植えた
金木犀の花が散る

僕の中に住む巨人が
役目の終という

もっと激しい狂気と激情が来るという
更に強い守護神が降臨するだろう

だから
仮面がいる

能を舞うように
一番大切なものだけ
あればいい

それは何か
目の前にするまで
分かるわけもないが

(2005/10/08)
うがいして
くもの巣
吹かれ
梁の端

(2005/09/25)

2015年7月31日金曜日

花は咲く
一度きり

人は咲く
時間をかけ

残りの時が
花の散った後ならば

種を結ぶための
果実となれ

思い出せ、あの
名草の風を

稲のたわむき
人は実り
大地に落つる

知らぬ振りして
いつまでも
花の振り
するのはよせ

(2005/09/03)
あき、本名をちづるといふ
狭い部屋で会って
帰る繰り返し

肌を重ねるだけでは寂しい
話しをするだけでは足りない
一体なにを求めているのだろう
欲しいものは何だろう

キラキラ砂がそこにあれば
すべてが叶う

キラキラ砂はこぼれても
永遠にこぼれ続ける砂

この手から失われる
永遠のこぼれ砂

失うその日まで
永遠に失われない日々

それが永遠という幻想

(2005/08/08)

2015年7月24日金曜日

冬、下ばかりを見ていた間に
桜の枝には蕾が一杯になっている
いつの間にか春が来ていた

まだ空は冬の色を帯びているが
もうじき朱色の花で染められてゆく

遠くの山には梅の花が咲いている

(2005/03/09)
君は何になりたかったのか
誰に声をかけてもらいたかったのか
誰の為に歌いたかったのか

全てが
君も家族も友人も
街も風も
この世界さえ
失われても

あらゆる君の欲望も地位も
その作品も無に帰したとしても

それはこの星が未来へと続くから

(2005/02/15)

2015年7月18日土曜日

失われた10年という
失ったのは10年だけであろうか

昔を振り返り後悔する
失ったのは過去そのものだろうか

過ぎ去った日であるならば
二度と取り戻せない

それは失われた若さなのか
それとも失ったものは君の未来なのか

君の未来は残り少ないかも知れない
友人や家族のためにも生きてゆけないかも知れない
この国の将来も期待できないかも知れない

だけれどもこの地球は
この星の未来はずうっと先まである

この星の行く末や君散り行くも

(2005/02/15)
ここに居ても
居なくても
香ってくる
金木犀

秋の昼
どこに居ても
香ってくる
金木犀か
女の香

(2004/10/07)
蝉が鳴く
涼しい夜の八月
盆近し
誰が
帰って来ているのだろう

テレビでは
久米島の話しをしている

(2004/08/08)

2015年7月10日金曜日

空を見上げていた人は光りを失い

地面を覗き込んでいた人は空を失う

水に潜っていた子だけは

知らない世界へと戻る

そんなあの夏を知らなくてもいい

笑っていてもいいから

砂漠で起きている事に

心を備えよう

月を見上げた朝に腕を失い

水を汲み上げた帰りに赤く染める

隣の人が倒れた次の日に

わたしは銃を手に取る

(2004.07.25)
窓越しに夕焼けを見る
湯けむりで曇った太陽だ

唯一の光りで
全ての存在が認められる

つまらない建物も
空もそこにしっかりとある

(2004.03.01)

2015年7月3日金曜日

僕は神を信じる
それは決してつかめない
ならば人の死も同じか

(2004.02.21)
詩をうたうことで
自分を残してきた

人と人との繋がりを
今ほど深く思う事はない

人と人の繋がりは
どこにあるのか

絶対などないから
絶対に近いものを求めている

そんな道に入り込んだのか

絶対などないから
僕は君を一生愛すると決めた

例え君が一切を呉れなくても

僕は君を
この心に深く強く想うと決めた

それが例え一人ぼっちだとしても
この想いを道連れに行く

それが今日の僕だ
それが僕の今日だ

明日に繋がる今の僕だ

(2003.07.31)
誰かを抱きしめたら
その身動きを奪ってしまう

だから抱きしめられる君を
僕は抱きしめる
彼女の自由を奪う

人は孤独で死ぬことがある
お前は孤独かと聞かれたら
そうだと答える

人は何故孤独なのか
家族がいるからだろう

何らかの欠陥があると
そう思ってきた

何故という問いかけが
孤独に導く

僕は人とどのような
心の交流を

それが例え
ただの自己満足に過ぎなかったとしても

してきたことだろう

(2003.07.27)

2015年6月26日金曜日

この雨は彼女の上にも降る
彼女はそれに気付かない

(2003.06.11)
僕に苦しみを与える人
僕の苦しみを救ってくれた人

色々な人が
僕の周りにいる

夜も遅く
病院近くにある
大きな桜の木が
花弁を散らせていた

それを見上げている
僕の為かのように

僕は祈る
僕の為に散らせてよ、と

その時に
あの人の事を思うことない
ただ何かを願う

そして
花びらが一つ
桜の枝から
散って来たのだった

(2003.04.11)
三月が終わろうとしている

冬が終わり
だんだんと
暖かな春が来る

今日
桜の花を見た
蕾一杯の枝に
一つだけ咲いている桜

たぶん
来週には
枝一杯の桜が
咲いているだろう

その花だけは
君と見たい
その時だけは
君が側にいて
欲しい

多分
恋している

この時間の流れの中で
何とも取り代える気はない

生れて
初めて
そう思う

そんな気持ちを
抱きかかえている

(2003.03.27)

2015年6月19日金曜日

満開の梅の花を見て
誰かの事を想おうか

枝一杯の花びらを見て
誰の事を想おうか

その花弁の一片が
君の髪を飾る時
誰が花の事を想おうか

梅の花が美しいと
段々と思うようになってきて

満開の淡い花びらが一杯に広がって
誰が君の事を想おうか

君に見せたいと

(2003.03.15)
今から三日もあれば
好きになれる

君を好きになれば
一日でもっと大好きになる

夢に出て来ては
僕を見つめ去ってゆく

だけど
言葉がなくて

言葉が聞こえなくて
言葉を話さなくて

好きと嫌いはスイッチじゃない
幾つものグラデーションがあって

寄せたり引いたりしながら
気持ちになってゆく

そして
君を見ていると

ダンダンとこの気持ちが
強くなってゆく

(2003.02.01)

2015年6月14日日曜日

11月から雪の降るこの年に
暖かなある秋の一日があった

空が澄み
陽射しのそそぐ朝があった

そんな朝が社会と係るようにと
僕の背中を押す

そして僕はその空から
深呼吸をもらって
人混みの中へと歩いてゆく

(2002.11.17)
明るい雨上がりの朝に
花びらが名も知らぬかのように
はらはらと去ってゆく
幾千もの人のように見える
その散り急ぎをどうか引き止めて

(2002.03.30)

2015年6月5日金曜日

ほのかに香る梅の花
闇の中に照らされて
真っ白ににじむ
小さくぱらっぱらっと
咲いている
あゝこれは今年の春か
あゝあゝ
誰の事を想おうか

(2001.03.16)
うわーお、いい空だなぁ
これが春の空なんだ
三人で電車に揺られて
どこまでも行きたいなぁ

(2001.03.06)
昨日の夜はこの国に確かに
泣いていた女が一人はいた

その女は別れてボロボロと
泣いていた

夜の闇は
涙を隠そうとして
星はよりいっそうの輝きを増す

人の悲しみや辛さを
何も分かろうとしなくて
昨日の夜は
いっそう暗闇を強くする

何も語れないけれど
ただ
星や月明かりで
照らしている

その女は
気付くこともなく
ただはらはらと
涙を流していた

(2001.03.25)

2015年5月16日土曜日

下半身を晒している
紅い月だけが
俺を見ている

周りはコンクリートで囲まれて
ただ俺を見ているのは
紅い月だけだった

赤いビル燈が点滅している
空の上に

ぽっかりとしているのは
月と猿の心

星もないケダルイ夜空には
紅い月以外見つける事が出来なくて

何も何もない地球の周りにある月は
監視者かも知れない

何を誰を見続けているのか

(2000.11.08)
深夜、何もないテレビを一人で見ている
今夜、殺せ殺せの声が日本中を覆う

どうしようもなく寂しいとか
訳の分からない怒りとかが
単純な言葉にしかならない

幾つもの言霊が幽霊になって
豊国と呼ばれた頃に比べると
どうやらどの時代よりも

「ただ生まれて死ぬだけだろ」

誰もが一人ぼっちでテレビを見ている
どこかで何か新しい事が始まっている

それは君の体の中であったり
知らぬ土地の知らない話であったり
それに生涯気付かないかも知れない

それでもこの時代の風に吹かれている以上
君はその全てを受け入れているはずで
どの時代よりも僕達は

「新しく難しい時代を生きている」

夢の中、彼女の中で
秋の香り、煙草が流れて
雑踏の中を一人きりだったり
家の中が薄暗くて、静かで

ひとりでいる時なんかには
何でもいいから
テレビでも点けてみて
映し出された誰かを笑ってみる

のっぺりとした画像からは
何も伝わらないかもしれない
それでも、君はつぶやく

「こんにちは、自分」と

(2000.09.17)
夜、外に出てみると
驚く程に明るい星が輝いている

暑い夏が通り過ぎて
少しだけ風が涼しくなってきた

僕はと言えば
少しだけ未来を考えてみたりしている

そこで出会った人に
何かを話さなければと思ってる

少しだけ分かりそうな気がしたけれど
それはすぐに行き去ってしまったので

二人でいっしょにいる時間があるというだけで
それでいいというわけではない

(2000.09.17)

2015年5月2日土曜日

12kgのすいかを見た
甘く瑞々しい味がした

縁側で寝ていたら
アブに刺された

オニヤンマに噛まれた
指先から血が出た

川を泳ぐヘビを見た

鮎に振れた
手の中で跳ねた

ジャガイモや玉ねぎが
美味しかった

トンボが田んぼの上に並んでいた
水が流れ続けていた

何もかもが
まだそこにはあったのだ

お墓参りをした
お盆だった

(2000.08.21)
不意に現れて
窓の外で
みいみいと鳴く白黒ぶちの子猫

白いミルクを差し出すと
全部飲み干して
まだ何かをねだっていたっけ

どうやって
生きてきたかも知らないが
何回か会った時に
そっとなでてみた

逃げる訳でもなく
ただなでられていたっけか

何もあげるものがなくて
追い返したことも
あったけど

夏の終わりに近くなって
しばらく見ないかと思ったが
それっきりにいなくなった

今もどこかで生きているかも知れない
それでよしとしよう

もうどこかで息絶えたのかも知れない
それでもよしとしよう

あまりに不幸でなければいいと
そう願うだけなのだ

(2000.08.06)

2015年4月25日土曜日

うろうろと街を彷徨い
行き止まりに立ち尽くすと

暑苦しい空にぽっかりと
さかりのついた月が浮いている

じめじめとした
不快な肌
なにもかも捨て去ってしまった

ただどこへ行こうか
それとも二人になろうか

亜熱帯の風の中
暑苦しい空にぽっかりと

さかりのついた
白い明かりが

雲の間に間に

(2000.07.22)
寝静まったビル街の一室で
仮眠を取っている

その遥か上空には月明かりが
静かに

苦労して
理不尽に苦労して
僅かな眠りでは

やや
月の明かりさえ知らずにいる

そのビル街の外では
タクシーは客を乗せて走ってゆく

僕達は
薄暗くなったまゝモニターの
明かりを見ている

誰にも見る事は出来ないだろうが
その脳髄の中で起こっている事件は
きっとエキサイティングだ

一緒になって
苦労するだけの価値はある

月明かりを見ることは出来ないが
共に月明かりに想いを馳せる
時間を共有している

(2000.07.06)

2015年4月19日日曜日

雪を湛えた連峰
世界で最も聳え立つ月

人を拒絶する強風が
高度一万メートルの上昇気流で
青空となる

月に最も近い大地で
春になると
鶴の群れが上昇気流に乗って
ヒマラヤ越えに挑む

何度も何度も繰り返しながら
天候に失敗しながら
その小さな鶴の群れは
飛び続ける

どうしかして山を越えようとする

飛行機ならば楽にその上を飛ぶことだろう
しかしその何が美しいのか
何がすばらしいのか

彼らは弱い存在かもしれない
しかし彼ら自身に山を越える
絶え間ない意志があり
彼自身に山を越える力がある

本当は宇宙まで飛びたいに違いない
それを超えるべく人は水素を燃やし
無重力空間を漂わねばならない

(2000.07.06)
雨が降った次の日は
全ての光が降りそそぐ

いつもは薄汚いビルヂングが
光りを受けて輝いている

青空は決して手の
届かぬように遠い

光りはあらゆるものを
美しく輝かせる

この世の全て
悪さえも人さえも

空に聳える建物が
まるで自然物のように

美しく
僕の目を離さない

あらゆる全てが輝くのは
実はそれがもつ魅力からではない

花も草も木も
この街も

光りあふれている
この星は光りを受けている

光りを受ける事が
輝くために必要なんだ

(2000.04.19)

2015年4月10日金曜日

僕達は45億人
ひとりひとりの顔を
思い浮かべる事はできない

だから誰もこの世界の
唯ひとつを決める事はできない

同様に十年後に生まれる人間の顔を
思い浮かべる事はできない

ただ川の流れを見て
どちらから流れているかを
知る事が出来るだけだろう

ただ今を生きる
顔を知っている人の事を考えて
どうすればいいかを
思い浮かべる事ができるだけだろう

それでも今は昔より
多くの人を知っている

映像や写真で
色々な人の顔を見てきたから

それが今を作っている

(2000.03.20)
遠く赤倉の駅
それまで晴れていたホーム
急に雪が降り始めた

四方の山をぼかすかのような
大量の雪が横なぐりに降り付ける

寒いはずなのに
何故かそう思わない

田んぼや畑の田舎の駅で
電車を待っている僕達は
この場所から離れてゆく

そして雪はとどまり
この地に降り続くだろう

楽しかった日の思いである

(2000.03.09)
13年前と変わらない
10年後も変わっていないだろう

そんな毎日を過ごして
仕事に追われた
今日の終わりに
ふと目をとめると

そこに
まっ白な梅の花が
枝に咲いていた

しばらく足を止め
見ていたら
何だか大切なものを知ったようで
また歩き出した

その花は雪の白さと同じように美しく
平安の昔から
この国の人に好まれていたのだと
思うに値する

(2000.03.09)

2015年4月3日金曜日

この空はすべて俺のもの
冬のこの夕陽の美しさを
誰も知りはしないのだから

まっすぐな太陽が
今日の日も海の彼方へと
消えようとしている

なんだか
思った通りの道なんて
一つも歩いて来てないな

このままでも
いってしまおうかなと
思ってしまう一日だった

何だか古い歌がとても心に染みて
一体自分は何をしたいんだろうと
自分を責め続けている

そんな日々が刻々と通り過ぎてゆく
そんな一日に見た夕焼けは
やっぱり俺ひとりのもの

その美しさは俺のものだった

(2000.01.14)
木枯らしが吹く
街はどこまでも見晴しが良くなって
この街の本当の姿が現れる

汚い空が消え去って
人はこの街の本当の姿を見る事ができる

その時に僕たちはどうしてこんな所に住んでいるのかと訝る
海はコンクリートで囲まれて
街は何の愛想もなく生えている
木々がてんでばらばらに生えている山は
あんなにも美しくなるのに
この街にてんでばらばらに生えているビルは
かくも美しさがない

何かが欠けている
それは恐らくビルとビルの間に・・・
木枯らしが全てを
スモッグや塵などを
吹き飛ばしたこの街も
明日はまた汚れた空に覆われて
誰も本当の姿を見る事はなくなるのでしょう

今日だってどれだけの人がこの街の
本当の姿を目にしたというのでしょうか

(1999.12.07)
空は思ったよりずっと高い所にある
人は長い時間をかけて
ロケットを飛ばした
だけどまだ空をつかんだ人はいない

人は空を追い駆ける
例え空を追い抜いても
空はいつも一番遠い所にある

高い山の上では
今にも月に手が届きそうだ
だけれども

それでも空はまだ高い所にある
星は今にも落ちてきそうなくらい煌めいているのに
それを手にした人はいない

秋はなんだか空を持ち上げて
なんだかくる予感を感じさせる

(1999.09.20)

2015年3月28日土曜日

街路樹が並んでいる
林でも
森でもない
木々達

街の中で
毎年、枝を切られ
毎年、電球を飾られ
模造品に置き換えられる

木々に自由はない
だが人に自由がないように
不自由ではない

列車が多くの人を乗せて
夕方の街から消えてゆく

夜
誰もいなくなった街でも
木々はどこへ行く事もなく
夜、風に吹かれている

(1999.09.14)
夜の二時に外へ出る
全てが寝静まったかのような
静寂の中

街を覆う暗闇
どこからか風が吹いている

DNAの紐を解いて
運命を巻きつける

そんな今も
世界の何処かで
地雷が炸裂している

地球のどこかで
何かが哀しんでいる

それでも
DNAの紐を解いて
君の運命が切り拓かれる

誰かの声
地球の育み
宇宙の意志

それはこの世界に反映されて
今日も一日
街の形を形成する

(1999.08.31)
この街で見失った自分と会うために
この両足は一歩も退かない所存です

見失った自分の変わりに此処に居るのは
今を生きている僕です

この僕は本当の自分が戻ってくると
消えてゆく次第です

だから大切な思い出は作らないようにしています

この街のどこかを彷徨っている自分が戻ってくるまで
立ち止まっている覚悟です

いつかは消えてゆく僕は
持ち主が戻るまで勝手な事はできません

いつ本当の僕はここへ戻ってくるのでしょうか
僕も本当の自分になってみたいものです

自分が自分自身の未来を作ってゆく時
何にもない所に戻る宿命です

本当の僕もまた未来を作っています
消えゆく僕もまた未来を生きています

見失ってしまった僕は
見失った未来ですか

この街はどのようにすれば良いか
教えてくれないのです

恐らく潜在的な僕は何かに
気付かなければならないのでしょう

その何かが僕を引き留めています

見失ってしまったのではなく
見つけなければならないのです

(1999.08.26)

2015年3月21日土曜日

なにもかも
なにもかも
捨て去って
一体全体
何をしろと言うのだろう


もう
なにもかも
なにもかもが
消えてしまって
ここは
何もない砂浜です

だた
どうしても
どうしても
人前では
強がっている毎日です

この頃は
仕方がないと諦めて
分からないと思っては
秋になるのを待っています

(1999.08.12)
街の中で

道端に座って
ぬいぐるみを抱えていたのは
お母さんではなかったのか

どこかの誰かのお母さんではなかったのか
子供の代わりに犬のぬいぐるみを抱く
そんな人ではなかったのか

自分のお母さんに似てはいまいか
似ていなくともお母さんではあるまいか

人混みの中で
座り込んでしまったのは
年老いたお母さんではなかったか

街は
どんどん どんどん
捨て去っていっている

何もかもが
何もかも全てが
テレビの中の話しとなっていってる

そして
お母さんを捨てていってしまったのは
そこにいるはずの君じゃなかったのか

(1999.08.12)
だんご虫のように何十本の足があったらどうだろう。

それをいっぺんに上手く動かせられるかな。

それでも誰かに恋したりするのかな。

今よりも一所懸命に生きてゆく事ができるかな。

でもその前にちゃんと前に進められるかな。

(1999.06.24)

2015年3月7日土曜日

TV から流れる

その会った事もない

異国の人が

DNA に悩まされながらも

強い生き様を見せる

今度生まれ変わったら

今度は僕の番かもしれない

彼女はこう語っていた

これは私の祖先がした過ちに対する

罰なのかも知れません

それを私が受けとめているのかも知れません

本心では嫌だなぁと思うけれど

その生命はきっと

DNA が一生懸命

発動しているから

できているんだろう

(1999.05.16)
今年の櫻も散ってしまった

誰にも何も告げずに

何も残さずに

美しいと思うかも知れないが

一人ぽっちで見つめると

花びらのように落ちてゆく

誰かの姿を重ね合わさなければ

まっ正直に咲いている

あの櫻さえ

この心に残らずに

散って行ってしまう

(1999.04.26)
上手くなったのは
キスの仕方と
ブラの外し方

覚えたのは
あたしの感じる所と
危険日

二人とも
とっても気持ちよかったし
うれしかったんだよ

あなたが得たのは
あたしのこと
あたしのすべて

すべてが
あなたのものになってるみたいだけど

わたしが失ったものは
何んにもないんだよ

(1999.04.19)

2015年2月27日金曜日

夢って決して破れたりしない
見失ったり捨てたりすることは
あるかも知れないけれど

何故って

生きている事
それがもう
夢の形なんだから

生きている事
それは
誰かの夢の形なのかも知れないよ

(1998.10.08)
何も語る事のない
この喧噪の中で
街は動き続けている

言葉を失って
詩は存在の
意味を失った

唄が溢れている
けれども…

ただ静かに
この喧噪の中で
夕陽はこの街を染めている

言葉を持たない
鳥がどこかで鳴く
姿を見せずに

詩が歌われなくなっても
心は詩でできている

(1998.09.08)

2015年2月21日土曜日

夏の夜は
亜熱帯高気圧がのびてきて
暑くて眠れない

体がベトベトして
何度も寝返りをうってしまう

そんなことをしていると
あなたの事を考えだしてしまう

何も考えられなければ
よいのだけど

あなたのことを想いだしてしまい
夏の夜は暑くて寝苦しい

亜熱帯高気圧がのびてきて
一人の身には
寝苦しい

(1998.07.27)
ポーンと飛んで行ったように
何かが変わってしまうと

心の中はたいへんな
穏やかさにつつまれる

人は希望すれば捨てれないものが
絶望だと知ると捨ててしまえる

一度捨てたものは忘れられてしまい
二度と蘇ることはなく

涙を流した方がいいのかなとも思うけれど
その頃にはもうとても遠い所に居た

(1998/07/27)
電車の中に一匹の蟻
小さな蟻がいた

群れからはぐれ
どこから来たのかも分からない

どれだけ歩いても
もう帰ることはできない事件

例え近くの土に帰した所で
生きては行けまい

電車の中にいれば
元の場所へ帰れるかも知れない

僕は何もできなくて
ひとり電車を降りた

蟻に話しかけることもできずに
他の人たちの目が一人きりでは怖くて

(1998/06/08)

2015年2月15日日曜日

この街の片隅で
愛は見つからない

小さな出会いには
愛など見つからない

なんだかこのまま
行ってしまいそうな

そんなこの時に
ビルに雨が降る

街を濡らすように
雨がふる

この街の片隅で
誰もいない

何一つの愛もない
ただ雨を降らしている者がいる

(1998/05/24)
I.

雨に濡れた桜は
いつもより紅く
頬を染めた女のようだ

艶めかしくあえぐ
女の色のように
染められて
思い出すこともある

明るい春の雨の中で
花びらが美しく
輝いているが
もうすぐ散ってしまう

その女のように
消えてしまうのだ


II.

雨に濡れた桜は
朱に染まり
頬を染めた女のようだ

いつもより
艶めかしく
それは女の色を
思い出す

春の雨に濡れて
花びらが明るく
輝いている

二、三日すれば
散ってしまう

女が消えてゆくように

(1998/04/07)
○ 23回の桜の花の咲く頃

× 23回の桜の咲く頃
ここには僕の居場所はないな
そう思う

昔の場所へ戻ろうか
そこにはあるかも知れない

居場所のない此処には
なんだか一人ぼっち
過ぎてゆく

居場所って何だろう
誰かの胸の上にあるのか
どこかの場所にあるのか

僕の居る所が僕の居場所だ
誰かの所でも
どこかにある訳でもない

僕がいる
ここが僕が居る場所なんだ

無人の荒野を一人切り拓くとしても
この都の中を一人で歩いているにしても

(1998/03/22)

2015年2月7日土曜日

辛いなと思ったら
いつか神に祈らなかったか
思い出してみるがいい

神と取引をしなかったか
誰かの幸せのかわりに
自分の幸せを差し出したりしなかったか

自分の夢を売らなかったか
自分の夢と引き換えに何か手放さなかったか

孤独とは仲良くなった方がいい
それほど悪いものじゃない

誰かを憎んだりしない方がいい
自分の心が苦しいばかりだ

風はその心と関係なく吹く

テレビを見てみるのがいい
話した事もないけれど
とても立派な生き方をしてきた人を
見る事ができる

(1998/03/20)
歩いた道は
誰かの心の中に

時間の過ぎるままに
ただ前に行くだけ

心には問わない
ただ思う所がある

それは誰にも
何も言えないから

ただ
ここにこうしてあることを
恐れる

何百何千の
数えきれない程の星があるように
人の命もまたあるから

人はみんなで
少しづつそれを抱えながら
ここにいる

(1998/03/09)
雪が舞う

風に吹かれて
舞い落ちる

一面も白く染めながら
緑の葉をつける
木々さえも白くする

木の枝に積もった雪が
とても良く合う

とっても冷たく
刺すような寒さなのに

お互いは仲の良い
間柄のように思う

雪は次第に溶けて
なくなってしまうだろう

それまでの短い時間のことを
木は決して忘れていないだろう

(1998/01/08)

2015年1月24日土曜日

この街に雪が降る

夜遅く街に出ると
街燈を反射して
白く明るい
雪が降り積もる

この地球ほしが
生命を育む前にも
雪が降ったのだとしたら
不思議になる

明日がどんな日になるのか
それが楽しみになる

この街に雪が降ったんだ

(1998/01/08)
府中にて

椿の花が下に落ちて
一面赤く
目に映ります

椿の花が枝一杯に咲いて
一面赤く
そこにたたずみます

自らを美しく飾るように
地面一杯に花びらが
散りました

それは冬の一隅の風景でした

生きていると
こんな風景に
出会うこともあります

(1997/12/18)

2015年1月17日土曜日

失えない
失える

消せる
消せない

愛している
愛してなんかいない

そんな事が
行ったり来たりしている

僕は一人
誰も愛していない

失う
失わない

消える
消えない

愛したい
愛されたい

(1997.11.27)
夜、寝る前に
おまえの事を思っていたら
三時間も寝れなかった

色々な事を思っていて
考えていたら
不意に
二人に
なれていないことを知った

二人でいる時間って
どういう時
どんな時間

僕が忘れてきた時間は
少し大きなものだ

だから君との時間を
色々と思ってみる

二人でいる時間
そして別れてみるまで
色々と思ってみようと思う

ただ思っているだけだけど
思うことで
少し忘れてまた時間を探してみる

そこで君と別れることができたなら
新しい人と出会えそうな気がする

(1997.11.27)
ふと。違う名を口に出してみる
それは、全然、違う人の名前
だけど、心に染み込み始めた人の名前

もしも、愛というものが
移ろい易く、信じられないものだとして
忌むべき、憎むべきものだとしても
人の名前だけが、心に染み込んでくる

新しい人の名前をつぶやいてみる
いつかは、忘れてしまう(忘れてしまうものか)
の名前かも知れないけれど
心の中に新鮮な驚きを持って
染み込んでくる

きっと世界で初めて発せられた言葉は
きっと名前だったに違いない

好きなんて、まだ言えやしない
僕の気持ちはあやふやである
けれど、たった一人の人の名で占められていた
僕の心の中に
次第に違う名前が刻まれてゆく

(1997.11.15)
お前はいま何をしとる
どこでどんな夢を見とる

長いことお前のことばかりを
想い続けてきたんじゃけど

これからも思うんじゃろうけど
お前が遠うて
どうしようもないんじゃ

お前のことは忘れんで
ほいじゃが
じゃがのを
もうわしん中では
遠い人になりよるんじゃ

なんでかの
なんでなんかのお

お前が心の中で遠おうて
忘れてしまおるようで
だんだんと消えてゆくようじゃ

お前のことばかり考えちょって
何も手につかなんだ
そんな気持ちがのうなってきた

普通のごく普通にの
お前の事を好きとの
考えられるようにの
なってきたで

(1997.11.05)

2015年1月1日木曜日

一人ぽっちだ
それは一人ではないから

二人ぽっちだ
それはお互いが一人だから

一人を感じるのは
一人ではない時を知っているから

君は一人ではないと
そう何回も心の中で願う

一人ではないからと
そう何回も心の中でつぶやく

もしかしたら
もう戻ることが出来ないくらい
君を信じられなくなっている

何があっても
君を許せないかも知れない

きっと誰も悪くない
君は決して悪くない

君に何も伝えられなかった
何も君にあげていない気がする
とてもたくさんのものを貰ったのに

だのに僕は一人でも
幸せを感じる

(1997.10.27)
あ、わかった

いつまでもお前のことを
思っているのは
正しくないって


恋っていうのは
温もりだけを求めている

んだって


一歩

足を進めたら


恋とは違う所で
女を思う


ことも出来る
それでも

好きでいることがで


きたんだ

(1997.10.24)