2015年8月29日土曜日

僕の中で演奏されている音楽が中断される
寒い風も校舎の落ち葉も
多くの学生たちの歩みも
ああ
あなたがこちらへと近づいてくる

僕は自分をぎゅっと握り
あなたを見る
顔を上げあなたの足もとから
目を
眼鏡の奥から二つの瞳が
口元に浮かべた笑みが
全て僕のため?
それとも嘲り

僕は既に体を捨てた
心はその瞳の真ん前にいて
君の心をノックしてる
ああ声が聞こえてくる
"はい どなたですか"
"あら あなたですか"

意地悪そうに瞳が
瞳がああ
僕がすれちがう
僕は後姿の君を見る
何故もっと声を
返事をしてくれないのです?
その瞳は何を語る?
好き
嫌い
そう好き?
あなたなんて嫌いよ

大きな瞳は
もう何も語らない?
それとも

君の心は僕を知っている?
僕の熱い瞳のことを
知らない
知っている
嫌な目だわ
えっ迷惑ですか
ええ嬉しいほど

明日また僕を見つめてくれるかな
僕の体の中から
恋の虫が生まれ
僕を食べつくしている。

あなたに見つめられるたび
この虫が大きく
血が体の中から溢れ出す。
また明日僕のことを見てくれるかな?

好き
嫌い
そう
いえっ大好きです
秋の風吹く日にあなたを・・・
口ビルと口ビルを重ね口づけをしよう。
手と手を合わせその温かい胸に押し当てよう。

空を覆う雲。
そこから冷たい空気が落ちている。
手をカサカサにしてしまう風が
落ち葉を散らし
土を冷たくしてしまう。

かじかんだ手をポケットに突っ込んでも
温かくならない。
冷たい風が降ってきたその日には
あなたの手を取り
温かい息を感じ合うのです。

きっとあなたの温かさが
その頬を赤く染めてしまうでしょう。
そして僕を見上げるその瞳は
あなたをますます温かくするのです。


明日は学校です。
少し早目に家を出ましょうか。
人の少ない校舎の中には
まだ秋の冷たい風が潜んでいます。

白くもない廊下を歩けば
その風が僕の目を潰そうとするでしょう。
眼鏡をかけて僕はまっすぐに
そして校舎の横にある
黄色い葉をつけている木の下で
僕はじいっと待つのです。

あなたが赤く染めた頬と風に遊ばれた髪と
そして白い息をはずませ
急ぎ足でやって来るのを。
朝 僕は君を探す
何故 何故 話をすることなど出来はしないのに。
君の瞳に僕が触れてしまうだけで逃げてしまう。
泣く 泣く 手と手を 僕の口唇に
重ねてしまいたいのに。

勇気 勇気 勇気
この偉大な言葉でさえ
僕の中ではひ弱な臆病さでしかない。

詩を作る?

この体の中で熱く締め付けるこの想いは何だ。
君に見つめられたとき口元に抱きしめたい程の君の笑みが
この笑みを捕えた僕の心の安堵は何だ。

君が帰ってしまう放課後に学校の中で君を探してる
僕のこの悲しみは何だ。

すべて すべて すべて。
思い出す度に君の体を抱きしめてしまいたいと
制服姿の君のあの笑みが僕の中に
言葉にしつくせない。

この大きな心の海に漂う
この暖かさ やさしさを
僕に与えてくれた君を
どのようにこの腕の中に
しっかりと捕まえれば良いのだろう。


雲の間の真ん中から真っ白な透明な太陽が
まるで雲を着飾ってるかのように
辺りを白く染めている。
それを隠しきれない木の枝々から
漏れてくる小さな光の子供達。

2015年8月21日金曜日

長い時間いつも
恋をしていなければと
心のどこかで感じていたらしく
僕はここまで来た。
もう二年も前に
君と出会っていたというのに。

愛しい君
君はあの少女の髪を僕の知らない涙で
いつのまにかバサバサにしてしまった。
少女の髪にもう触れることはできないということに
思い出をひっくり返して
今の僕は昔の僕に羨望する。
二年も前、すでに恋していたのに。

君が僕を愛してくれているのか僕は知らない
ただ僕は君を愛してる。
そのことを僕は知っている
心はいつも君のことを求めている
そうなったのはついこの間のこと

君の瞳が僕を見つめてくれる
いや僕が君を見つめたのだろうか。
僕は君の事を
僕の心の中でこんなにもはっきりと
描くことができるのに

君の心はいつもいつのまにか
僕の心となってしまう
僕はほんの少しの希望を
笑いながら
捨ててしまうのだ。
桜のつぼみは遠くからでも良くわかる

(2009/04/03)
温かい冬の終わりに降る雪は

アスファルトを蒸らし木々に舞う

その裸を温かく濡らすならば

桜の花も散ってしまえばいい

(2007/03/22)

2015年8月12日水曜日

二千六年元旦
言葉の届かぬから孤独

人が二百年経て
やっと気づく時代

線が大切
絵も音楽も

音で線を引くのが見える

(2006/01/01)
ビルのボイラーから吹く風に
落ち葉が蝶のように舞う

冬の訪れの足音のように
木の葉が音を立てて
地面に落ちてゆく

木枯らしが空を駆け抜けてゆく
その足元にザクザクと音がする

夕暮れの中
街の明かりが灯り始めた頃に
ハッと目を覚ます何かがある

そして気付いてしまうのだ
それに興味がある訳ではなかったと

そんなものは捨て置いて
空を駆け抜ける
その一団へと参加してゆく

(2005/12/06)

2015年8月7日金曜日

もっと冷たく秋の雨

誰かが植えた
金木犀の花が散る

僕の中に住む巨人が
役目の終という

もっと激しい狂気と激情が来るという
更に強い守護神が降臨するだろう

だから
仮面がいる

能を舞うように
一番大切なものだけ
あればいい

それは何か
目の前にするまで
分かるわけもないが

(2005/10/08)
うがいして
くもの巣
吹かれ
梁の端

(2005/09/25)