2012年12月29日土曜日

45年前、ほんの少しの事で娘を失い、生き残った母が居た。
母は、45年間、毎日のように後悔の中で生きてきた。
たった一度の人生だからこそ、悔みきれない事がある。
忘れられない事がある。

何故、自分は、あの時、娘を・・・と。

ほんの偶然が自分を生き残らせ、
娘は行ってしまった。
45年という長い間・・・かあちゃんもね・・・

浮かれたこの時、愛とささやくが
誰もが一つの愛を失えば次の愛を見つけ
愛とささやく。

娘の写真を飾る、写真立てが悲しげだよ、
50回忌をするというその思いがせつないよ、
人はこんな気持ちを知るために生まれたのか。
僕はここに人生があると思う。
他人が思うより僕達は悲しくない。

思い出すと夜も眠れなくなるといい、
50回忌をした一月後、その人は娘の所へ行った。
悲しみはある、けれど、その悲しみも母のものだ。

「おじいちゃん、おばあちゃんと遊べていいね。
おかあちゃんももうすぐ行くからね。」

数珠を手に、50回忌で祈る母親の言葉なんだ。
通いなれた道をこの夏もまた通ってゆく。
早いのか遅いのか分からないけれど
時間は確実に過ぎていったんだ。

けれど、この道は少しも変わらない。
早いものだな、年を経るのは。
遅いよね、僕はちっとも成長していない。

この道を歩いていると
そんなことも
この街へ溶け込んでゆくようだ。

少しも変わりはしない、あの頃と同じ夏。
同じ友に巡り合って
誰もちっとも変らない。

昨日の事だったといつも言っている。
今日会う事も昨日の事になってゆくんだ。

そして変わらない僕達がいる。
遠い昔に思い描いていた夢は
かなえる事も出来ず
いつの間にかそれが夢でさえなかったと
その姿を思うようになる。

何かをかなえたくてかなえられなくて
それが何だったか
僕を揺り動かしたものを失い
何故自分がここに居るのかさえ分からなくて。

それが夢でなかったとしても
あの頃の自分が行きつく所まで行って
初めて少しだけど分かりだした事がある。

それが無駄だなんて少しも思えない。
誰もがこういう風にして道を歩いているのなら
僕はもう一度夢を掘り起こしてみようかと思う。

もしあの夢が今でもかけがえのない夢だとしたら
今の僕には数人の友人が居ると言える事だろう。

あの夢はきっとみんなで夢見ていたのだろう。
残念だけどかなえられなかった一人一人の夢。
だけどもう一度新しい夢をかなえようと始める。

誰もが失えないこの気持ちは。
僕の夢はこの友情の夢なんだ。
いつか君の事を思い出すこともないくらい
他の誰かを想っていることだろう。

君には風が吹き抜けたに過ぎない事だろうけど
確かに僕を苦しめた日々があった。

僕は風だから気持ちも伝えられなかった。

けれど、もう、君がどんな気持ちの時も
それを分かりあう時はないんだね。

だから、すっかり忘れてゆくよ。
僕が愛する人が、僕を愛しているという
当たり前の気持ちの中で。

いつか、何かのきっかけで、不意に思いだす
だけの、せつなさも苦しみもない、
思い出になるんだろう。
夜の海を走る

船の上から
街の明かりが見える。

こんな暗闇が久しぶりだから
街の明かりが懐かしい。

街の明かりは人がいる証拠なんだな
と思いながら
僕は物想いにふける。

君の名前は出てこないけれど
僕はこの海の上で物想いにふけっている。

誰も信じないだろうけれど
ここに本当の僕がいる。

本当の海の姿がここにあるから。
雨が降っている。
この街を走る車を
電車の中から見ている。

行く先の明かりは
果てしなく続くように見える。

ビルの明かりが夜の街の中で輝いている。

僕は一人で電車のガラスに映っている
自分を見る。

周りには会社帰りの女が映っている。

この街で生きてゆくのは難しい。
例え、あの娘の明るさで生きても・・・

この街の不安が誰もの上にある。
心の底から笑ったことが
一度もないような人に見える。

そんなことはないのに。

雨が降っている。

この街で。

夜が深くなってゆく。

誰もが一人で
心の底から笑ったことのない
この夜をまた過ごす。

アッチョンブリケ。

2012年12月15日土曜日

何故あの時、
我々は外へ出て行ったのか。

未だその謎の答えがないので
今も人々は不安である。

またあの過ちを犯すのではないか、
再び滅びの道を転がり始めるのではないか。

誰も振り向かないが
その時の答えが見つからない限り
我々は不安を残したまま歩み続けるしかない。

ただ歩み続けるだけではない。
再び外で歩こうとしているのだ。

6/15
以外なことだが、
僕は死の事ばかりを考えていた。
この奥底に眠れる死よ。

僕は常にそれ以外のものを探していた。
色々な人のそれを真似ようともした。

しかし、この心の奥底にあるものは
その暗い海の底にあるものは
間違いなくそれだ。

死を考える事は、生きる事にならない。
そう思うから僕は少しだけ歩いてみたが
逃げられるものか。

僕は叩き潰すために来た。
この心の奥底にあるものを。
そのいつわりの・・・

その正体を何時か暴いてやる。

6/22
僕の心の中に誰が新しい河を流したんだろう。
この沈んだ心はどうしたんだろう。

僕自身の中で何かが
芽生えつつある。

自分自身の中で
本当に見るべきものが何なのか
分かりかけて来ている。

小さな子供を見ていると
僕にとって大切な人は
この小さな子供のような僕の子供にとって
素敵なお母さんになれる人なんだ。

僕が好きな人。
君の事が知りたい。

5/24
アダムとイブの時代かも知れない。

人々は二人の愛を今、探し始めた。

僕達はこの現代に、もう一度失楽園の時代を創る。

何故、僕達は楽園を追い出されたのか。

楽園に居たままでは、

二人の間に愛は生まれなかったからだろう。
テレビの中で人は一人で生きているようだ。
誰かと話しをしながら。

雲と本当に話せるのか?
海が何かを語るか?

人は一人で死んでゆくって知っているが
僕は一人ぼっちじゃ生きてゆけない。

いつも心の中で誰かを求めている。
どうすれば僕は強くなれるのか。

強さとは一人で生きてゆく事ではないだろう。

僕は一人きりで生きてゆける程
強くない。

けれど、どうすれば僕は
ずうっといっしょに居れる人を見つけられるのかな。

もしかしたら
求めているのは、子供なのかもしれない。
今日僕はここに戻ってきた。

長い間
前の見えぬ高い草むらの中をさまよい
かきわけながら歩いて来たように思う。

いつの間にか僕は迷っていた。
僕は臆病になって
たった一人の少女を
破れかけた写真かのように
大切に守り続けていた。

どれ程の月日が経ったろう。

僕が、自分の弱さに気付いた時に
僕が、臆病で本当の優しさじゃないと気付いた時に
僕が、求めるものは人からの愛ではないと知った時に

僕の前の草むらが空け
いつかはぐれた道に立てた。

それははぐれた所から
ほんの少しだけ前の所だった。

2012年12月2日日曜日

僕もいつか死ぬだろう。

死んだ時、初めに会う友人は
死である。

長い間、会わずに過ごした
僕の一番親しい友人である。

生きている間は決して会う事はない。
だから、生き続けるのだ。

何時か、不意に、彼は僕に会いに来るだろう。
その時まで、僕は彼と会う事はなく、
また、会いたいと思うこともなく
生きてゆく。
僕の中の君はもう死んだんだ。
少しずつ大きくなって
僕の中で大きく育った君は
死んだんだ。

どのような命が
人が僕の中で育つだろう。

けれど本当の君は僕の中にいない。

僕の中に誰かかはいる。
けれど、それは、誰にでもなるし
誰の姿もしていない。

僕の恋する人でもあったし
架空の主人公の時もあった。

それは何なのか。
それは誰なのか。

もし、それが僕自身であるのならば
僕はいつも僕自身だけを
愛し続けていた事にならないか。

もし、それが僕詩人であるならば
そいつは僕の顔をしているべきだ。

8/18
僕は走り列車に飛び乗った。
飛び乗ってから僕は後悔した。

この列車には知人が一人も乗っていなかったし
列車に飛び乗るとこの列車が行く所に
行かざるをえないのだ。

閉じられた扉は
もう二度と開くことはないと
思い知った。

僕はこの列車に乗って、
もう何をしても
無駄なのだと知った。

不図、この列車は死へ向かうのだと思った。

夢から覚めても、
列車に乗った事を忘れられず、
僕は死ぬんだと思っていた。

2012年11月24日土曜日

長かった。
今日ここに戻ってきた。

心をさらけだしてゆく
君の生き方はとても素敵だ。

失って初めて
本当に愛し始めることができる。

君の愛ばかりを求めて
君の苦しみに気付かなかったあの時

大切なのは
どこまでも君の事を思うかどうかにある。

僕は弱いと初めて言えた。
弱さを見つめ続ければそれは強さに変わってゆく。

君はいつも君の心のままに生きていたから、
僕もそれを見習おう。

君の苦しみに気付かないで
君の愛ばかりを求めていた僕は
一度たりとも君の苦しみを癒せなかった。

僕は、
君に拒絶されて初めて
君を好きになる事ができた。
いつか倒れこの胸の内を開くまで
この傷ついた心は
誰にも気付かれないだろう

どのような想いも
人に伝わる事はないと気付いた

苦しい時も助けられぬように
この恋も誰にも助けられない

人は自分の心だけは知らずにいられない
人に伝わらない僕の想いだとしても

恋というものはもうない
ちっとも素敵な気持ちなんかじゃない

いつか、この想いを伝えたいと思うようになっても
また、その日も、この想いが伝わりはしないだろう

どう見ても叶わぬ事は分かる
僕は馬鹿だから
今の今まで分からなかった
夜空へ飛び立てば
月が僕に言う

ここが君の街だよと
また帰って来いよと

街の明かりが美しく
あの通りを今あいつは
飲みにでも行っているんだろう

夜空を飛び立てば
また帰って来いと
月が僕に言う

(8/9)

2012年11月19日月曜日

さようなら
僕は僕の道を行く

苦しくても辛くても
一歩ずつ歩む

切なくて切なくて
悲しくとも
僕は僕の人生を歩む

さようなら
僕の好きな人

いつか僕も辿りつけると信じて
僕は僕の未来に生きる

一歩ずつでも這ってでも
進むのが僕の想いだと思う

僕の演じる役は終わり
僕は今こうして佇んでいる

(7/23 22:00)
人は溺れる。
テクノロジーがなければ、
たったの 1m の海にさえ。

10000m の海底から
宇宙空間にまで行けるのに。

人は溺れる。
自分の空間をコピーできなければ、
たったの 1m の海にさえ。
24 回目の春がきます。
悲しいことも嬉しいことも
楽しかったことも
全てを吸い込んで
桜が咲こうとする時に
君が生まれ。

誰が思ったろう。
桜が 24 回咲く間に
こんなにも美しくなるなんて。

24 回目の春がです。
もっと素敵になる一年です。

24 回目の春が来ます。
君が生まれ
桜が 24 回咲く間に
こんなにも素敵になるなんて。
こんなにも綺麗になるなんて。

今日これから
もっと素敵になる一年です。
もういいと思う。
恋をしてから、
お前が誰かと何処かに行くという。

嫉妬の夢ばかりを見ている。
お前が誰を愛しているのか、
何をしているのか、
会えなくて恋しくてそんな事ばかりを想い、
ひとりの時間が悲しくて、
俺の所にはいないのだと言い聞かせている。

諦め切れるならば、どんなに良い事かと、
お前の事ばかりを思いながら、
想い続けている。

恋の歌も、美しい曲ももういらないから、
ただ、お前に会わせてくれ、声を聞かせてくれと、

ばかりだ。

お前が今何処にいるのかと、
お前の愛する人は誰なのかと、
そればかりを思っている。

2012年11月11日日曜日

そいつは髪の短い女で
こういってはなんだが
足は少し太い

いつも楽しくなったり
落ち込んだりして
俺にとってはそれが
一番の感心事だ

不機嫌になると
俺は悲しい
楽しくしていると
俺も嬉しい

この女の事が好きなのだが
まだ愛と呼べるものがない
何を?自分を?彼女を?

愛というものを?

そうしてつくってゆくものなのか


好きな女がいる

不安は尽きない


不安は心の内から起こり

外で出たがっている子供と同じだから

外へ出してやるといい


そいつは、まず遠くへ

それから彼女へと赴くだろう

そう信じればいい


何を?自分を?彼女を?

愛というものを?
どうせこの世の中は
社会に飼いならされた
犬同士の争いなのだと思えば
ちっとも苦にならない

犬同士でも惚れて
所帯も持つだろう
恋人もいるだろう

けれど犬は犬だ

群れの中で安穏とする奴もいれば
一人でうろつく奴もいる

2012年11月4日日曜日

僕は、それならば、一人でゆく

月の明かりの下も
風の吹く街中も

一人でしっかりと立っているから

黄昏に足を止め
僕は大丈夫だ

星はひとりで見るものなんだ

僕はそれには馴れている
愛の終わりにその終わりに

君を愛する人がいるのなら
僕は愛さなくていいだろう

ただ、君は誰かに愛されていなければ
いけない人だから
僕がそうなろうと思っただけ

君の愛する人が
君を愛しているのなら
僕が君を愛さなくてもいいだろう
身軽になって、何も心

沈めるものはない。

ただ、何を歌えばいいのだ?

長い雨が明け、秋風は吹く。

この休日に一体何をして過ごそうか?

2012年10月29日月曜日

自分の中で何かが変わろうとしている。

全てが君の事を想い始めている。
近くに来たり
遠くになったりしながらも
少しずつ君の色に染まりつつある。

扉を閉じる音をたててはいけない。
消えてゆくその姿を見せないで。

お前の名前ばかりを口ずさみ
どうしてお前がいるのかと問い続ける。

お前の事が分からない。
だけど。
信じている。

何もかもを。



その心の中までも?
よく分からない気持ちだ。
こんなにもやさしさを想った事はない。
こんなに嫉妬を感じた事もない。
だけれどもよく分からない気持ちだ。
それは手に入れる事とも抱きしめる事とも違うのか?
この先どうなるかも分からない。
だけれども昔から続いているのであろうか。
一日先へ行こうとするのならば。
どういう気持ちになるだろう。
この街で、僕は、分身を探している。

どこにも行くあてがなく歩くのは辛いから。

僕は、この街で失った自分を見つけて

とどめを刺す。

過去が恐ろしい。

それは、どこにある。


恐らく、街の中で佇んでいる。

孤独に、いつまでも、同じ太陽の光の下。

僕に過去が見つけられるのであれば、

それができる。

だが、思うのだが、

僕は僕一人なのだ。

2012年10月21日日曜日

もうものも見えていないざわつく群れが、

何が正しくて何が間違っているかも分からず。

何かが取り決められている訳でもないが

追いやられてゆく。

見えるべきものが見えないので、

誰にも判らない事が起きたので

歩む道は流れるままだ。

だが僕達は知っている。

この国だけは他のどんな国とも違った事を

やらねばならぬのだと。
あの美しい建物の中では、

この国は、僕達を、自分の事だけで手一杯にしてしまって、

そのささやかなものを守るのでさえも、

命を縮めねばならないようにしてしまったので、

この国に吸いついた虫は増えるばかりだ。

一つの雑草が、幾億もの金に化けるので、

人々は知らないでいるが、人こそが人を醜くしてゆく。

この国では、人間も、売られている物も、醜い。

そうだ、血も汚れきってしまったので、

そんなささやかさも、15年経てば、崩れてしまうのだ。

そんな人が集まって想念を13時間も思い巡らしている。
国に知性をもぎ取られた労働者が、

武装して公園の前に並ぶ。

人々は、何のためでもなく、自分の意志を、

現す為だけにそこに集おうとした。

国も法律も、憲法と呼ばれるものもなく、

労働者が、人のもっとも小さな意志を踏みにじる。

彼らにあるもの。

誰にも見えず、手をつける事も、何一つ身動きも取らぬのに、

そこには、人しかいないのだ、

目が腐敗し、白くなってしまった人なのか。

いいや、ただの権力だ。

百を超える乳房に食らいつき飲み続けるがいい。
だれも動かせない怒りが湧いてくる。

空の青い下で、あなた達には、何も出来ない。

血のついた道端で、ひとりは、己の正当性を言うばかりだ。

ひとりは、人間の尊厳を言うばかりだ。

社会と、人間の野生が戦って、社会に負けたのだ。

集会が終わった後、人々は、帰途につくのである。

倒れていた男が立ち上がって、目の前で見たその時間に問うていた。

悲しむ者は、常に堀の外から眺める人達だった。

俺達には、そんな暇はなかった。

考えていたのは、唯そのことだけだった。

正しいと思う事を行うために。

人の醜さを知れ、人がもっと正しければ。

2012年10月15日月曜日

だれかといっしょにいる一人
というものは良いものですね。
自分自身の気持ちが分かる。

何を言えば良いのかも分かっている。
明日、また会えるとしても
こんな一人の時も悪くない。

明日また会えたなら
その時にはこの気持ちを伝えたい。

夜が深まり、星のある空が
僕のいる、いまの時間です。
お前と生きてゆき
そして
人生に感謝したい

ちっとも俺の恋の仕方は成長などしてやいないが
まさか
お前の様な女に惚れちまうなんて
昔は夢にも思わなかった

昔は遠くにあったものが
今はこんなに近くにある

けれど、ちっとも不思議じゃない
お前が愛おしくて
お前と別れるのが辛くて

そして
抱きしめたいのは

(12/4)
街を歩けば美しい女に眼がゆく。
そればかりだ。

だが女の尻はいつも大きすぎるので
それは家の中で落ち着きたがっている。

もし詩を書くのであれば恋人を想うて歌うのがいい。
闇は、今、空よりも明るいのだ。

2012年10月8日月曜日

この世の道を歩むなら、
背筋を伸ばして歩くが良い。

そうしないと、
目は虚ろになって、
注意力は散漫で、
道を歩んだが、
記憶にない。

道の歩き方を忘れたのか。
と聞かれたら、
この世の生きてゆく方法を失ったのだ、
と答える。道を、
一人で歩んではいけない。

(9/2)
この国で、色々な街で、多くの人を見た。
だが、どれもこれも、集まりに過ぎない。人間という言葉は、
生物という言葉とは違う。人間は生物ではない。

この街で、今、原子爆弾が爆発したら、多くの人が死に至る。
だが、それは十分ありうるのだ。

多くの虫が殺されるように、この人達も殺される。
殺虫剤の代わりに爆弾が使われて。

同じ人の形をしているから分からないのだが、
犬でも感じてるように、家族だとか、恋人なんぞは、
消えてゆく。

昇りゆく階段の上で、俺は、ここには、
人間の尊厳がないのだと、
繰り返し思った。

殺されても何も言い返せない。
そして、殺す者達も、また、
道を歩むのだ。奈落の底へと続く、
断崖へと。

(9/2)
俺は風の魔人の生まれ変わりだ

君に風を伝えるために生まれてきた

俺の行く所に風よ

あの街の便りを連れて来て欲しい

俺の知る人の香りを乗せて

2012年9月30日日曜日

俺は、今になって、ようやく失恋の痛みというものを
感じる様になった。

今まで、何をしてきたのかと問われても、
それを卵のように守っていた、としか答えようがない。

誰もがみな、あの日に置いてきたものかも
知れないが。

俺は、あの日にもう一人の自分を失ったような気がする。
その俺が、俺から何を奪っていったのかは分からない。

そいつが、今、どの空の下を歩んでいるのかも分からないが、
俺にとっての一生とは、そのもう一人の自分を捕えて、
本当の自分の姿に戻るという事かもしれない。

今の俺を慰めてくれるのは、
世界中のどの女でもなく、唯一人のその恋人でもない、
と気付いた時に、俺は一つの爆発を味わったのだと思う。


― 遠い将来、失った自分が戻ることはなく、木の幹のようにその傷口は塞がれる。
星さえ忘れた昔、
戦場を駆けた男がいた。

今はいない彼
の事を思う夜がある。

人はいつか死んでゆくのではないと。
人はいつも生きているのだと。
星や月はそう語っている。

(1/7)
あの時、

確かに桜の花は、

僕の中で

桜の花になって

咲いたんだ。

2012年9月23日日曜日

東京の空は美しくない。
それは 終わった恋なのだ。

だが 思いだす、
二度とない この時だ。

俺はどこへ帰ってゆくのだろうか。
忘れた夜空へ 星はゆっくりと
降りてくる。
この世には唯一つの真理も
それを表わす言葉もない。

何もかも全てが影を作るように
言葉も影を持っている。

何一つ言いきれる訳はない。
常に裏に恐ろしい闇がある。

人は光を求める。
光がなければその影をも失う。

全てが暗闇の中へ飲み込まれる。
裏も表も、影さえ消えるのだ。
風を感じて欲しい。

秋の風を、そして、夜の空を見上げて欲しい。
空にたなびく雲を愛して欲しい。
秋の高い空を知って欲しい。
冬に吹く風のすがすがしさを知って欲しい。

僕は、この世で風が一番好きだ。
それを君に伝えたかった。

そして、林の中を通り抜け、
小さな町の外れにある、
小さな里に連れて行ってあげる。
そこに降り積もる雪や、
夜空に輝く星を知って欲しい。

この国のあらゆる街の、
ちょっとした木陰に
必ずある風のささやきを、
知って欲しいと思う。

それらを愛してもらいたい。
本当に美しく永遠に力強いものは、そういうものだと思うから。

もっと伝えたい事はある。けれど、僕が生まれて、
本当に伝えたいものは、この事だけだと思う。
僕が知っているこの世界の素敵なものを、
君に知ってもらいたい。

君が、知っているそれらのものが、
いつまでも君の事を守ってくれるはずだから。

2012年9月13日木曜日

湾岸戦争に行った友人に宛て

その遠い国から、
早く帰ってこい。

うまいものを用意して待っているから。
うまい酒を飲もう。

遠い国の出来事よりも、
遠い国の青い空の事を思っている。

その地の果てまで続く砂漠と、
美しい星空を、
みやげに帰って来い。

俺達は、うまい食いものを用意して
待っている。
うまい酒も、ここにある。
君の頭(こうべ)が骨となる時
僕はそこにはいない。

一体、不思議だ。
こんなにも美しく、
生きている人がいつかは、
帰ってゆくとは。

そんな哀しみが
誰かの上に降りかかる。

眠っているような
その髪が揺れる事は
もうないだろう。

まだ温かだった
君が空へと帰る時、
君の心にいる人は僕ではない。
この風からすれば
あと三週間もすれば
春一番が吹くだろう

夜風に木の芽の匂いが混じっている
風の語るところによれば
芳しい息吹が聞こえた

寂しい秋と寒かった冬があった
それがいつの間にか
終わろうとしてる

あと三週間もすれば
春一番になるだろう

2012年9月3日月曜日

お前は
風になびく自分のスカートのすそに
気付いていないのと同じように
俺がここにいる事にも
気付いていないだろう。

お前が見ているものを
今、ここで見た。
この異国の地で。

だが、お前がそれを共有したのは
横を通った見知らぬ人かも知れないし
横にいた友人なのかも知れぬ。
俺じゃあないのだ。

俺の首をうんとのばして
空を見上げたが
そこにあるものは
空ばかりだった。
なつかしい、海を渡った風たちの語る

あの町の小さな通りの話は、

自分がいた頃の話です。
度し難い感傷だ、
あの街に雨が降る。

そこに住む人はみな、
その雨を知っているのに、
私は知らない。

私は行く先を見るだけだ。

ふと幸せの事を思い出した。
だが、

俺が知っているあの街は、
誰かに連れ去られて
遠い異郷の地にあると言う。

2012年8月29日水曜日

全てが間違いだったと思うしかないじゃないか
この想いも感情も全てが

こんなに人を愛するなんて もうない
のではない

この人をこんなにも愛することは
もう できないと思うから

僕はひとりでいようと思うんだ

すべて自分が大切なものを失って

僕は初めて
一人で歩み始めた気がした

12/9
千年、水が流れ続ければ、
どんな川も美しくなるだろう。

待ち続けていれば、
待っている間も水は流れ
川は美しくなり
野に緑も戻るだろう。

一粒の水が流れ続ければ、
山を砕くだろう。
一滴の水の数秒の命が
続けば山を砕くだろう。
川は美しくなるだろう。

だが、僕達は、
自分の力で何かをやりたいと思っている。
一滴の水ではなく
激しい河でありたいと願っている。

社会の中で、一滴の水となるのは嫌だと言う。

川は僕なのだろうか。
水が僕なのだろうか。

果たして、こうして人間となるのだろうか?
谷間の道を歩いている。

夕闇の中を
そびえたつ山を見上げている。

尾根へ登る道であろうか、
赤く染まった空の下に
闇を宿した森がたたずみ
風が吹く。

果たして、この風はなつかしい風か?

冷たい風か?

2012年8月6日月曜日

誰が悪いという訳ではないけれど
誰にも責任がない訳じゃあない。

この街は、忘却の街だから、
人から大切なものを次々と奪ってゆく。

だから、街を歩く人々は、何も覚えていない。
家路を行く多くの人達よ、
忘れてしまったかも知れないが、
全ての人に責任はある、僕にも。

祈りは余りに悲しくて、
世界の中で支えきれるのだろうか。

昨日まで帰ってくると信じていた、
その一人の人間を、
世界の全てが、今、殺そうとしている。

暗闇の果てに街明かりがあって、
大きな川が流れている。
降る雨が、やさしい雨であるように。
これが世界というやつなのだ。

重たく肩の上にのしかかってくる、
僕の友人を殺そうとして、
人を悲しませるのが、
僕達の地球だ。

僕は信じている。
世界がどこかへ行こうとしている。

俺達は知ってか知らずか、
その時代に生まれた。
神様が、この時代に生れよ、と言った為か?

誰もが生きてゆかなければならない。
決してりっぱな世界ではない。
全てのものが毒で一杯で、星も青空も霞んでしか見えない。

だが、人の歌はいつでも美しいし、
人の熱い語りは、俺達の中で星にまで届く思いになる。

やはり美しい世界だろう。
生きてゆく価値のある世界だろう。

この国で好きな人がいて、日々を生きているけれども
遠い国にお前がいる事を思うと、
俺の肩に世界の重みを感じる事があるんだ。

お前が砂漠を歩む姿を思う。
その空も、その地の風も知らないけれど、これが世界なのだと思う。

俺がこの国にいて、遠く離れた国にお前がいる。
俺達はかくあるために今まで来たのか?
そうなのかもしれない。

俺は祈っているから、祈りは何よりも強い力だと信じているから。

この世界はずっと祈る人々と供に歩んできたはずだから。
何も案ずる事などないじゃないか、かくある如く歩め。

俺達の道を、俺達の星を、かくある如く歩め。
それは何んであったのか?

星座だったのかも知れないし
声の美しさかも知れない。

彼女は女神だったのかも知れないし
それは母であったのかも知れない。

美しさは彼女の肉体かも知れないし、
だが、なつかしい、あの人の心であったかも知れない。

本当は星になるのかも知れないが、
きっと、夫婦であるかぎり、人の一生は、
二人が死ぬまで続くと言う事を、
知っていたのかも知れない。

僕のこの世の生が終わるのは
彼女が死んで僕が往くまでか、
僕が死んで彼女が看取られるか、
迄なのだと思う。

今の僕には、この船の行く先は、何も感じられない。
だが、僕はどこかへ行こうとし、何かになろうとしている、
その空間だけは、口を開けて待っているのだ。

8/6

2012年7月29日日曜日

修羅の道へと私は進む

今万感の想いを込めて汽笛が鳴る(銀河鉄道999)



一番愚かな事をした人達は、そのことに永久に気づかないのだ

人は何を残して去って行くのだろう

お前に踏まれるために私はここにいるのだ、と(沈黙)




秋の始まりの一夜

ひとこと、君に言いたい

地球が動いた、息をはいた、

ジョバンニは、そのカムパネルラはもうあの銀河の外れにしか居ないという気がしてしかたなかったのです。(銀河鉄道のよる)




夜の街を走れば、秋の風が吹いている

川瀬の音が山に来る、春の光は、石のようだ (悲しき朝)




今日という日は何もない1日でした

夕暮れを走る700系

予感とは的中するためにある

君が上からやってくる

いよいよここが正念場(ジャイアントロボ THE ANIMATION ~地球が静止する日~)


深夜、何もないテレビを一人で見ている
今夜、殺セ殺セの声が日本中を覆う。

どうしようもなく寂しいとか
訳も分からない怒りとかが
単純な言葉にしかならない。

幾つもの言霊が飛び交い
豊国と呼ばれた頃に比べると
この国はどの時代よりも。
「ただ生まれて、死ぬだけだろ」

誰もが、一人ぼっちでテレビを見ても
どこかで、何か新しい事が始まっている。

それは君の体の中であったり
知らない土地の話であったり
生涯気付かない事だったりする。

それでもこの時代の風に吹かれている以上
君はその全てを受け入れているはずで
どの時代よりも僕たちは。
「新しく難しい時代を生きている」

夢の中、彼女の中、秋の香り煙草が流れて

雑踏の中を一人きりだったり
家の中が薄暗くて静かで一人でいる時には
何でもいいからテレビでもつけてみて
そこに映し出されている誰かを見てみる。

のっぺりとした画像からは
何も伝わらないかも知れない
それでも君は呟く。
「こんにちは、自分」と....

2000/09/20
ねぇ、風の始まりはどこ?

始まりはどこにあるの

通り過ぎる旅団の始まりはどこ

行く先はどこ

なんて

今、目の前を通り過ぎる風だけが真実で

それは、誰かが吹いた息だったりするのかも知れない。

ねぇ、波ってどこからくるの?

それは海の彼方から

では答えになってなくて

この世界のどこかに波の怪物がいるんだと

昔の人も信じてた。

地球が見渡せるようになっても

見えないものは見えないままで

遠くが見えるようになっただけでは

やはり

風の始まりを見ることはできなくて

見えないものでもあるんだよ、と

金子みすゞが歌っていたのを思い出しただけだった。

2001/06/20

2012年7月22日日曜日

木々がまだ緑の色を持ち
家並みはそれぞれの色でたそがれる。

西の空がオレンジの光で満たされ
その上に輝く龍が居る。

広々とした空が夜を向かえようとする。
雲は西の話を伝えたがっている。

そのとき、大地の割れ目を水が満たした、
川が流れていた。

8/6
人間の主体は一つであるという理由で
時間は凝固してしまい
永遠である流れは量子だけが手にする。
人は一つの物になろうとばかりしている。
これが狂気だ。

世界は縮小してゆく。
幾多の内より一枚のものを
全ての中から一つだけを。
拡大することは拒絶される。
人には余りに時間がない。

全ての物が永遠ではないとしても
ともに歩むものであるならば
人が人の時間のみを永遠にする。

もしも、この夢が明日も僕のものであるならば。
どうも僕達は、
一番だの二番だのと、
そういう事ばかりに興味を持つ。

人は人よりも優れているか、
または劣っているかと、
そればかりを考えているのだ。

一体それ以外に他のものと分けることを知っているのか?

あらゆる本が、たんすが、机が、
一つに混ざり合おうとしている。

そして空になろうとする時、風が、そうだよと言う。
だから人は空を愛すのだ。

然し、人は何時までたっても人だから、
本や机などを返してしまえない。

いっそ海にでも流しちまおうかといぶかる。
人に残された物たちは後悔ばかりしているであろう。

戦いを知らぬものは、戦いとは、
順序良く並ぶ事だと思っている。
でなければ滅びるか生き残ることのどちらかだと考えている。

だが、闇の中で、
山奥にぽつりと明かりの燈っている家々の中に住む
白髪の爺は何んと言うであろうか。

外で虫が鳴いて、風が駆け廻り、草を揺らしている。

2012年7月15日日曜日

早い流れの闇の空を

月の明かりに照らされた雲が駆けてゆく。

いつも西から来る雲よ、今日はあの娘を見たことだろう。

温かい6月の風に、彼女の息が聞こえる。
現在という時代は、既に何かが悪いというような時代ではない。
世界そのものが病んでおり、誰一人としてその難から逃れられる者はいない。

その事をはっきりと認識していないと流れる。
自分は病んでいないなどとは思わぬ事だ。

誰でもあの病が分かる程には身近にある。
あの夢のような事件が分からないと言う者には、この時代を語る事は許されぬ。

正しく、どんな評論をする事もできない、その起こった事を、そのまま、書くしかないという程にあの事件は複雑だ、小説にしかならない。
一つだけ聞くのであれば、現代の何が彼を生んだのか。

あの事件は、あのような事件を起こした者が、社会に対するコミュニケーションを取ったという事ではなかろうか。
捕まった時に、彼は普通の人間に戻ったはずである。

それまで、彼は、一体何者であったのだろうか。
あの夕陽は何を見ていたのだろうか。

彼はまるで人と話すのが嬉しいとばかりに話をしたそうである。
社会と係わりを持つためにあの手紙を送った如く、係わりがない故に、あの事は起こりえた。

もしこう考えるなら、彼には友人が一人もいなかったのである。
彼の友人とは、社会と交わる事そのものだったのだ。
人が好ましいと思ったものを平気で壊す事が
できる街が
この国である。

あらゆる街である。
子供の頃
好きだったものは
もう残ってはいない。

すべてが崩れ去るコンクリートに変わり
すべてが好きでもないものに変わって
それでも
これがこの国であるか。

(11/15)

2012年7月9日月曜日

僕は君の横顔を見た。
そして、通り過ぎて行った自転車。

あれから幾年かして、幾季節の中を過ぎて、
僕は哀しみで途方にくれた。

まだ、終わらない。抱くまでは。
そして、落ちてゆくだけの幾億の砂。
神は言葉を乱したと言う。
これは幾つもの言葉が生れたと言う意味ではない。

言葉による会話では
人と人の間で
正しい事を伝える事が出来なくなった
そういう意味である。

人は終に獣の様な目をして立った。
そして、歩き、呻り、行動するのだ。
人はなす術を知らず、言葉は通じず、見るだけである。

だが、先ず目は喋った。
その昔、刀匠は川に藁(わら)を流し、
藁を切ろうと思えば切れ、切ろうと思わねば切れぬものを名刀と呼んだ。

刀が藁に触れるや否や切れてしまうものや
切ろうと思っても全く切れぬものを鈍刀と呼んだ。

2012年7月2日月曜日

かつて人々は、
星空の果てに神を見た。

その時、既に、人々は、
星空の神々を疑っていたからである。

そこに宇宙の法則が降りて来て、
星空に宇宙を駆ける船を見る。

確かに星空は、
我々に何かを語りかけている。

(11/4)
太郎が抱かれながら見た雪は、
母に抱かれて見た雪だった。

暗闇の中に積りゆく里を見ていると
それはしんしんと泣いていた。

山に降れ、
海に落ちろ、

この一瞬が幻ならば、
何故、母が駆けてゆくのであろうか?

(11/27)

太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎をねむらせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
三好達治 - 雪
katakata という音におびえ
小さな子はひざをかかえていた。

幾人の大人が座っているのを見ながら。
柱の古い時計だけが自分に語っているのだと信じながら。

小さな子は父親の大きな膝元で
小さな体でうずくまっていた。

天井の上を風が行進している。
庵の炭が死ぬまで燃え続ける。

(11/27)

2012年6月18日月曜日

この空が飲み込んでいる
毎日吐き出される大地の声。
雑踏の中で夢見ている人々の足音。
何んと穢らわしい夢の数だ。
幾つもの詩が失敗して吐き捨てられていた。

空が見ていた。
哀しくはない、けれど、自信はない。
いつか急に落ちてくるかも知れない。
なんと汚れた大地だろう。
この雑踏の真上の空が美しいのは
永遠だろうか?

僕が指さす天の真上に、
満月が、高く、白く、輝いている。
雲の流れも、街灯も、
隠す事はできない、夜の星も、
この月も、輝くだけで
人は問ふばかりだ。

いま月を見ている人が僕一人でない様に
過去に見ていた若人がいた。
彼は何を口ずさんでいたのだろう。
月が語る言葉を静かに聞いていたのだろうか?

あらゆるものから眼を反らしたくなる。
汚れきった虚しさに立ち止まる。
遠ざかってゆくと僕の力は失せてゆく。
次から次へと僕の歩みの幅は小さくなる。

月が空を流れてゆく。
それから流れる音が
地上の音を打ち消す。
その音はどこにいても同じだから、
僕はここに居る。

だが、自分が何者だろうと
空が明るくなるには、まだ時間がある。
その音を聞くには
何もいらないはずだと思い見続けた。
東京を薄暗い霧が覆っている。
月に語られた神話を口ずさんでいると
あの永遠の輝きと空間にある星が、
なんだか美しくなってゆきます。

2012年6月10日日曜日

同じ空の下と言いながら
僕は君と同じ空を共有していない。

君が今日見ている空も、僕は永遠に見る事が出来ないのです。
いつか、君の事を知りたい。

もっと早く、もっと早くと
僕を急かしてみても
日々の中で
僕の力は、まっすぐになっていない。

だけど、君を連れて空へ行こう、
僕はそういう人になったよ。

秋が深くなりました。
木々が紅く染まりました。
心地よい夜の風が、
高く澄み渡った空が、
人の頬を染める。

2012年6月4日月曜日

23回目の秋がきました。
二度と会えないこの空を見る哀しみを
遠くにいる君は分かってくれるのだろうか。
同じ空など君と僕の所にはない。

空に青色の雲がたなびき
赤く染められて流れてゆく。
この地上で
空は僕の方へと流れる。
これは終末の空だ、
だが、
僕たちは自由だ。

広い広い夜の空の下に光る月がありました。
十五夜の白く輝く月でした。
まっ暗な部屋で寝ころんで見上げるその月は
窓辺にやってきた、異国の人のようであり
太古以来変わらず、
人が変わっても、
輝く月でした。

せつない歌はもう終わりました。
今は哀しい歌です。
秋の空に感じる青色に染まり
溶けてゆきたい。
夜の道をゆくあの雲の大団にのり
どこかに連れていってもらいたい。

風が吹いて、僕はどこにも行かない。
ここに居る。

海に、恋をしていたのだろうか?
繰り返す波が呼ぶその名前に。
空に、恋をしていたと思う。
遠く青き背景に確かにいた君に。

心地よい風が
すみ渡った空から吹いて
僕は君を想う。

いつかこの世界が
君の心に囁くだろう。
そういう時は
月を見るがいい。

君は新しい始まりと思うだろう。
駅を出ていく列車の
暗闇の中にとけてゆくを見るは、
電燈に照らされて
一人たたずむ僕です。

そこに見つけたものは
人と人とが生きてゆく
人生そのものでした。

もし神がいるのなら
何故こんなにも多くの人を生み
そして別れ別れにするのだろうか
それともこの駅で降りてゆく人たちとともに
僕にも行けと言っているのだろうか。

暗がりのレールの上で
残った赤い燈火も
次第に消えてゆく。

たたずんで夜の終わりの時間に
悲しみを覚えていたのは
雨のあがった日に別れた君でした。

2012年5月27日日曜日

ポトポト   ポト。
ポト   ポト

ポト

積み重ねた木の上に
歩きならされた石の上に
子供が置き忘れた
ままごとの上に
暗くなった部屋の中で眠っている子

10/08

2012年5月20日日曜日

何かが大きく変わらなければならない。
そういう予感がする。

全てのものがその前で立ち止まっている。
悲劇の中で生きている。
いつの世もそうであったかも知れぬ。

悲しみを生きてきた。
悲しみのある世界に生まれてきた。

けれど、新しくなる世界だろう。
何かが大きな変化の前にいる。

全て、その前にいて
みんな悲しみの中で足踏みしている。

君の事を知りたい。
その悲しみを
僕は架け橋になるか。

その悲しみの
その橋を多くの人が歩き
多くの人が誰かの橋になっている。
恋にもいろいろあるようです。

思うだけで胸をドキドキさせるような恋もあれば

そんな事をおくびにも出さず、じっと思う恋もあるようです。
その町は、山に囲まれた小さな空間に
ひっそりとたたずんでいる。

東に青野山をのぞみ
さらさらと小さな川が流れている。

訪れるものは、観光というより、
そのひっそりとした佇まいを感じて欲しい。

町中を鯉がゆらゆら泳ぐ町である。
街中に明かりが灯り
夜の風の祝福

2012年5月14日月曜日

余りに悲しいので
彼女の時が此の儘
止まってしまえばいいと思う
時よ、流れるな
流れるのは、止せ

もう、此れ以上進めば
君のその顔は
化粧が溶けだし
訳のわからぬ顔となるだろう

辛い、何が辛いと言って
彼女と別れる事程
辛い事があろうか?

季節 ― 否、変わる四季

辛い、辛いと言っても
彼女を失う事より
辛い事が何処にあろうか?

想い出を偲び、其のひとに、更に会えぬ日に―
白い布を纏った人が一人居た。
細い体、痩せた指、裸足のまま立っていた。

一人の男は女を想って、膝を付いて、その人によりかかって泣いた。
すると手が翳されて、男はその下で手を合わせた。

手が翳されていたので、男は色々な事を忘れ、ただ、祈った。
聖者は何というであろうか、そう思うと

「その悲しみをどうする事も出来ない」
と、聞こえてきた。

男は、自分は、この時でなくとも、何時か、遥か、
結ばれる日があるということを悟った。

想う女とは、即ち、その日の女なのであり、唯、今は、未だ、
それは分からない。

2012年5月8日火曜日

朝覚めやらぬ、紅葉の
中をうつらと、歩いておれば
石に腰かけ、ざわつく音を聞く。

僕は一人、落ち葉でも見ようと
手に取れば、枯葉の踏む音がする。

空高き、雲薄き、冷たき道を、
一人の少女が来るのが見えた。

そして彼女は軽く会釈をし、
湧水の所へと行く。

僕はその後ろ姿を追っている。
肩からのびる細長い腕や、水を汲む所作、
白いブラウスと、どうだろう。
目が覚めてしまった。

木の枝に 鳥のありける 小春日は
迎えにぞくる 少女を知れ
梅の花、桃の花、然し櫻の花、
春が来たので、春の花が咲く。
春が来たので、春の花は散る。

2012年4月30日月曜日

暑い、空なぞ見上げはしまい。
その日に、不図、蝉の声を聞く。
見上げると空一杯に這った
木漏れ日達よ。

しゃんしゃんと震える中で、
僕は、確かに、見上げていた。

何故ならそれは
蝉の声を聞くために。
僕は、
君よ、君の周りで蝉は鳴いているか。
君の周りにも、確かに蝉はいるか。

青空が続いているが、
君の上にある空も、
青空か。

僕はその下を立ち去ったが、
それは、また、青空を見なくなった
という事に等しい。

真夏日

ポツンとある
ビルの中からは、何の光りさえなく、
屋外に立つ、電燈だけがある。

夜、人は全て眠った。
ビルの中にある数十の部屋にいる
幾つもの人が
横になって
眠っているのだ。

外に風が吹く。
ビルはそれを受けて
光り輝く水銀灯はあるが
眠った人々を含んで
今にも動き出しそうだ。

その幾十の窓を見ても
20の部屋に分かれているが
その中の一つたりとて
彼女を住まわせていないと
僕は知っている。

2012年4月4日水曜日

仕事ニオワレ シメキリニオワレ

休日ノオ昼ニハ ビッグマックヒトツト コーラノLヲ飲ミ

夜遅クマデ バグヲ潰シテハ コーディングシ

三田ニ破綻シソウナプロジェクトガアレバ

コワガラナクテイイト オテツダイヲシ

新木場ニ 新シイ仕事ガアレバ

ツマラナイカラヤメロト 仕事ヲモライ

自分ノ会社ニモドレバ 何モイワズ

気ノ置ケル連中トハ 大キナ事ヲイフ

後藤サンノ様ニ 仕事ニ励ミ

理不尽ナ仕様ニハ 涙ヲ流シ

作リ込ミガ遅レテ オロオロ歩キ

バグヲ ダシテハ

ツカエネェート イワレ

オマエコソ チャント見積モレヨ ノ言葉ヲグットノム

タダ

可愛イ妻ヲモチ 子供ニ恵マレ

徹夜トショウシテハ タマニ人妻ト不倫ヲス

ソフイウ者ニ ワタシハナリタイ

「プログラマノウタ」

(2000/03/11)

2012年4月2日月曜日

春が来た。
春が来た、
土が日に照って
ふんわりと
温かく、
だから、
和風に乗って
匂って来る。

春が来た、
春が来た。
道沿いに歩けば、
ほれ、
和風の中に
人の居ぬ畑が見える。
春先、早く、
雨は、雪より冷たい。
春先の夜、
降る雨は、
櫻を見た後で、
気付けるだろうか。

雨が降って散った櫻も、
偶然見た訳ではない。
今日と言う日になれば。

散った櫻を見た事はあるが、
冷たい雨を見ていると、
水溜りが実に不思議だ。

春先の夜に、
電燈が点っている・・・
滴も垂れている。

雨で流れた後の花弁を見た事も、
その日には、未だ遠く、
思えば日々は、日毎に過ぎてゆく。

2012年3月26日月曜日

町を歩いて居ると
櫻が咲いていましたので見ると
其れはたいそうきれいな
山櫻でした。

溶けそうな薄紅の花弁と
小豆色の葉っぱとが
其の自然に繁る枝ゝについて
木が一つの花とさえ思えました。

花の中心が血の様に濃く
段々と其れが薄くなってゆく
然も枝の繁り方が実に
柔らかい。木を削る時の
柔らかさの其んな感じなのです。

雨降りの曇った日でしたが
鳥が多く来て チーチ チーチ と
鳴いていました。
それは実にいい声でした。

(4/4)

ト短調シンフォニー(Symphony No.40 in G minor)

一.
さざめく枝葉と、はじかれる木枝
力強く誰にも止められる事のない
土黒い川の流れ、ヨウロッパの舞踏に乗せて
人々の足取りの様に床を蹴る。

バイオリン手の悲しげな眼指す。
楽上の響き
止む事のない人の踊りの足取り重く、
蝋燭の明かりが消える。

見あきる事のない
降る月光たち。
川を作る。
WWの様に揺れて、
月の向こうの滝へと向かふ。

二.
眠りから覚めた人々の足がそこから放れ床を蹴る。
ホルンの響き静かに連奏の楽器の流れ、
フルートが示す小川の流れ、
ふと見上げるとまどろみの眠りの中から覚める様に。

この上にはまだ月が見える。
月明かりさすこの西洋の地に。
繰り返される響き、
バイオリンの描く放物線が月を良く見ろと言ふ。

降る降る霧の粒に捕えられ、
降り落ちる月の光。

三.
大河の荒れる、激情の太い手を見せつけられて
混ざりこんでいる子供たち、
駅馬車の軋む車輪の
夜の森の小道を走る。

夜の、石コロを飛ばしつつ、
コートに包まれた男は一睡もせず、
朝日が射した。

汽車の終点が近い、
プラットフォームから放たれて、
どんぐりの様に
転がる。

四.

2012年3月19日月曜日

昨日より紅く染められた唇が
君に嬉しい事があったのだと教えてくれる。
その唇を知っている人は幸せだ。
夜は紅が落とされていて
その淡い色の唇を見たことがある人は幸せだ。

きみはもうすぐ誰かと婚約して
お嫁さんとなり
そして母となるだろう。
君は母となる人。
それは分かっていたんだ。
寝れぬ夜に、いと静かなれば
心治まり、故郷が思える。
水を湛えているかのように、心の湖は、
夜で静かだ。

月は無い。草も林も、よく分からない、
ああ、ゝ
彼処に山影が・・・。
宇宙の拡がりと。

寝れぬ夜は、いと静かなれ、
可愛い娘は、確かに今、
寝むっていると聞く。

02/05
雪の間に居た
薄紅の頬する
かの女の
蕾を待って春は来にけり。

明日、桜は咲くだろふ。
枝一面に流れる様な櫻の花は、
色を染める。

薄い肌の
かの女の
蕾を待って、春は
春来にけり。
空に在った
雪解け水の様な雨が
三月の頃、降る。

お前は今、
知る術もなく
人の出る季節と言うに
この雨は、僕に降る。

昼間には目覚めぬ者が
夜、むくむくと起きる。

しかし、その薄暗さが消えても
雨は以前のまま
雪々が解けては空から落ちて来ている。