露天風呂だった。湯気でけぶり、周りを岩で囲まれていて
かがり火だけを明かりとしていた。
桂小五郎が、管を巻いていた。芸者を五人連れて来ていた。
岩を背にして大きな体を西郷は湯にひたしていた。下を
手拭いで隠していた。
桂は話しながら西郷を責めるが
西郷は黙って聞き、うなずくだけだった。
俺は湯にアゴまでつかり、横の芸者の膚、
柔らかく温かな膚だ、に触れたいた。
すると話に酔ったらしく桂は立ち上がって、芸者たちの前に立ち
手拭いを上げた。
「さら、お前らもこうしてみせろ」と言うが、
誰もする訳もない。西郷も苦笑していると、
「何だ、ちんぽこくらい見せてみろ」
と妙にしつこく西郷に迫りながら、
芸者の前で腰を振っていた。
何んと愉快な男か、明るい男であろうか。
それから、俺は、芸者の部屋で眠っていた。
女の着物が掛けてある前で大の字で眠っていた。
桂らが俺を探しに来て、何をしているんだ、こんな所で、
見つかって、そんな目で見られている様だった。
しかし、外を見てみろ。
近藤が目を光らせて俺らを待ち伏せしている、
そのことを知っておくがいいのさ。
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