2014年2月14日金曜日

もう夕暮れだ
次第にざわめき始める
雑踏

雲はたなびき
ビルの陰へと隠れる

こんな時だ
待つ人がいる人もない人も
こんな時だ

自分が一人の人間となって
誰かの前に立つ

空いっぱいに広がった自分の姿が見える
誰よりもその人を愛している自分がいる

かなうともかなわぬとも
多くの思いが空へと溶けてゆく

そうした空が澄んでいるのは当たり前の事だ

そうして街が生まれ変わってゆくのも当然の事だ

街は次第に闇に包まれてゆき
人は誰かの胸の中へと飛び込む

長い夜がこれから始まる
それは今日の日が過ぎてゆくことである

しかしそれは明日が始まることだ

街は希望に溢れていないかも知れないが
新しい一日の始まりには違いない

だからこの過ぎてゆく夕暮れを忘れない

何よりも君の事を思い出している
この時間が過ぎてゆく

(1996.09.11)

2014年2月8日土曜日

月の隠れた雲から、
明かりが漏れる、

誰も見る事のない
明かりが、照らしている、
雲の上、

人は誰もが、
どこかへ行こうとしている、

この街で、この片隅で、
この夜を休み、また、
どこかへ行こうとしている、

月に照らされて、
雲は美しく輝く、

だが雲は止むことなく
流れてゆく、

美しさは立ち止まらない、

一瞬を惜しむことなく
流れ続けてゆく、

人の歩みはのろい、
それでも誰もが時の中を
迷いながら流れ続けている。

(1996.08.26)
東京の夜の星はあんなに遠く高い所にある
あちこちに地上の明かりが漏れこの街の川のように濁った空

それでも雲が流れ星が瞬く
夜の訪れない街はない

この街もまた生きている
どんだけ傷つけられても生きる方向に間違いはない

この街は既に人に媚びたりはしないだろう
勝手にやるさと人々に語りかける
それが心地よいという人で溢れる街だ

どこまで行きどこへ朽ちてゆくかはわからないけれど
それは人間のためだけにあるのではない

それを勘違いしていると
裏切られたと思わなければならないだろう

(1996.08.18)