2014年1月31日金曜日

君の驚いた顔

何を見たのかは
知らないけれど
どういう思いに
捕らわれていたの

きれいな顔だった
とても優しくて
話しをするのが
とても楽しそうで

とても柔らかくて
一緒にいるのが
とても嬉しそうで

まっすぐ見つめて
君はもう一人の
大人の女だ

(1996/07/11)

2014年1月24日金曜日

風が通り過ぎてゆく
いつの間にか

声は聞こえなくなった
僕は動かない

この足で歩いてゆくから
風の舞いを見上げる

僕らをもう乗せてはくれない
遠くに行くことになるよ

遠くの木を揺らし
通り過ぎてゆく

僕は見送り
そして、また会える日を願う

人間は遠くへとは行けない
いつでも自分の目の前を歩いてゆく

どこまで行っても僕はここにいる
だから僕らは声をかわすのだ

(1996/07/10)

2014年1月18日土曜日

風の吹く夜だ
全ての人に訪れる
あの娘の上にも訪れる

夜になれば本当の時間が始まる
だからだろうか?

僕は夜の風に吹かれるのが好きだ
そこにはいつも本当の自分がいる

誰でもそうだ
だから夜に人は
本当に大切な人と
過ごそうとする

いつでもそう思いながら――

(1996/06/07)
重く肩にのしかかる
なんと重い街だ

辺り一面に張り巡された
人と人と人

誰もが自由に
手足を伸ばす事もできない

時間が速く流れなければ
誰も支えきれないだろう

次々と溢れ出さなければ
いつか支えきれなくなるだろう

誰かが風通しを良くしなければ
終には一歩も歩けなくなるだろう

風通しをよくするには
中心を一気に引き抜けばよい。

(1996/05/09)
夕暮れに満開の花
モノクロームに溶け込む
春の空

どこまでも冷たく
どこまでも遠い
永遠の空

誰よりも美しく
誰よりも愛おしい
この春の女性(ひと)

黄昏に永久の別れが訪れる
二度と会えないかも知れない
美しい女性(ひと)

闇は二度と明けぬかも知れないと
不安になって/僕は
君の下で/暫く/立ち止まっていたんだ

(1996/04/11)

2014年1月11日土曜日

暖かな陽射しを受け
注がれる黄金色の液体。
コップへは美しき透明。
音を立てて弾ける
人を誘う至福の時。

本の中で永遠を生きる
友に誘われて
酔いに任せ
時を過ごす。
春の日は永遠だ。

花は刻々と春を急ぐ。
人は横になって
どこへも行こうとしない。
あるものはただ一つ。
この黄金に白き実りの命だ。

開かれた一冊の本と
春の陽射しがよく似合う。

(1996/04/10)
寒い日だ、

櫻の花が

夜空の下で

ふるえるでもなく

散るでもなく

咲いている。

今年の櫻は

どうも心へと

染みてこない。

寒空のみが

僕の心を

ふるわせる。

まだ春は訪れず。

それは僕にこない春。

早すぎた櫻の花。

今はまだ

北風の方がいい。

コートを着て

歩いている方がいい。

春にはまだ遠く

櫻の花には

咲いたとは言い難い。

(1996.4.2)