2018/01/01
海原に割れて白くなる如くこの年は青空で始まる
2018/01/11
対岸も凍てつく風や大城の湯
2018/01/23
ゆっくりと落ちてく雪を見つけたり
2018/01/23
あれだけの雪もやむ青空の夜
2018/02/02
上空の雪きえるのは朝の頃
2018/02/12
吹雪けどもオリンピックなれば終わらずと祈り待つ人それを見る人
2018/02/12
オリンピックの間だけと雪は降る春になるころ大地ぬかるむ
2018/02/12
青空の暮れて浮かんで白梅
2018/02/12
雪を蹴り君たちは飛ぶ笑顔で
2018/02/17
今日からは春の寒さ蠟梅さく
2018/02/19
研かれた氷冷たし靴をはく
2018/02/26
ポッポツと咲き始めて暮れて寒し
2018/02/28
春風吹く懸命に漕いでゆこう
2018/03/01
空覆う雲の厚みを思うならこの雷も雨も分かる気がする
2018/03/02
あの月に足跡がある春
2018/03/03
なぜ斯くも明るく春は月の色
2018/03/16
病床で静かさ静けさ天井の染み
2018/03/21
雨が降る枝垂れ桜から川面へ
2018/03/25
ハクモクレン待合室のひとりかな
2018/03/27
蕾がほころんで通りすがりの春
2018/03/27
色にいろ百年の樹木の百時間
2018/04/01
月光を言い訳にして先に行く
2018/04/15
バリバリとトタンを打って雨うつ春
2018/04/18
春霖跳ねて裂かる水たまり
2018/04/28
薫風る赤信号は静寂
2018/04/27
洞穴の中に横たう狼の見上げては春目覚めては我
2018/05/1
何もかもオレンジ色の朝メイデイ
2018/05/13
葉脈を一軒家にしてテントウムシ
2018/05/13
瞬間に立ちては消えるさざ波のいかにか捕まん100億年
2018/05/13
雨音がトタンにしみる柿若葉
2018/05/23
島原や争乱わたる初夏の海
2018/05/23
虫なくや川音なりぬ嬉野乃湯
2018/06/02
For Tokyo 流れて尽きぬ春の家
2018/06/02
静寂でなし静謐に音する五月
2018/06/02
午後の陽に見送る満開、時計ナク
2018/06/02
電灯の代田ゆらめく知らぬ人
2018/06/08
自由席こだまに乗って小田原へ突然だけど電源きるね
2018/06/15
忘却の不義理ばかりの春過ぎる
2018/06/15
たんぽぽのふわふわと部屋の奥へと
2018/06/23
露払い済ませて待つか額の花
2018/06/24
きみきみとうるさく歌う君はきみ君にはきみのきみがあるとも
2018/06/29
明治座のベンチで待った梅雨の明け
2018/07/10
新しき光に虫はこぬらしい家守は思う天変地異と
2018/07/14
蝉の声する夕暮れは夜の端
2018/07/16
笛なりてボールは止まる世界が一致した
2018/07/17
笹飾り風に揺れ巨人のダンス
2018/07/18
水道の冷たき夜か夏は熱す
2018/07/26
ゴラン高原の戦い伝えるアラブびと夜の景色に虫の声する
2018/08/4
赤く光って大輪さいてよる蒼し
2018/08/8
夏の日の梨は水々しくしたり
2018/08/25
終点のひとつ前ゆっくりと夏
2018/08/25
穂の香して炎天下だから風
2018/08/30
雲の中で生まれ雲の中に消ゆ夏の夕暮れ雷の色
2018/09/03
陰暦の季節のままに西瓜かな
2018/09/12
なんて素敵な風だろう、開けて寝転ぶ秋の昼
2018/09/12
秘めたるは打ち水してよみがえる
2018/09/24
雨音にも季節の音がこれは秋
2018/09/25
遠方に光る追跡赤い星
2018/09/30
野分きてその通りだと書を開く
2018/10/08
日が落ちる立ち向かうかととうとうろう
2018/10/05
天草の夕焼けを見たとき、なぜキリシタンかが分かった気がした、この開放感、この色
2018/10/16
寒空をすべて塞いでさなぎへと
2018/10/19
庭の数だけ家族あり秋桜
2018/12/02
みかんむく枯れ木のような指と指
2018/12/02
南洋よ人の骨さえ魚すむ
2018/12/20
冬らしくない冬たった十万年
2018/12/24
冴え冴えと刺す色をして冬照らすこの明るさが太陽だとは