桜の花が咲いたと聞けば
飛んで喜びの酒を酌み
その花びらを愛で歌を詠む
殺風景なこの国だから
人は少し暖かい方がいい
夏の雲を追いかけて
車を走らせる
日が沈むまで振り向かない
秒刻みの世界だから
人は少し夢追いの方がいい
どんな世界でも笑っていられる
いつも笑っていられる
そんな女がいい
男では挫けてしまう世界でも
女が笑っている限り
人生は捨てたもんじゃない
金木犀の匂いに誘われて
足を止め見上げる
その先に空があり雲が流れる
そこには天駆ける人がいる方がいい
雪が降り積もれば
全てが白く染まる
暖かさも冷たさも全てを覆い
そんな日に往くのも悪くない
夢の中で
君がやってきて
君が帰ってゆく
遠い昔の事なのに
今日はこんなに近い
こんなに近くに来て話をする
君はそのあと帰ってゆくけれど
目が覚めて君のことばかりを考える
一日を過ごす
どこかにいる君
僕の中で一番美しい人よ
君がやってきて去ってゆく
それだけの事だけど
今では遠い昔の話だけれど
君の事を好きな僕は今もここにいる
僕の中には今も昔もなく
ただ君を好きな自分がいる
(9/5)
夢の中で君がやってきて
君が去ってゆく。
夢の中の事なのに一番覚えている。
遠いことのようで、僕にとってはこんなに近い。
決して本当の事ではないけれど
君の事を思い出す一日を過ごす。
僕の家にやってきて、
同じ時間を過ごした君。
それは夢の中で起きた事だけど
君の最後の挨拶だったと思う。
目の覚めた僕は、
君がこの世を去ったのか、と思ったくらいだもの。
美しい人よ、永遠に僕の中で美しい人よ、
僕の中で最も美しい人よ。
(9/4)
こんなに大きな夜景を写し出している街なのに
幾百、幾千の明かりがあるのに僕は孤独だ。
ただの一人とも会話のなかった今日だ。
けだるい夏の日差しとだけ向き合った
風が少しばかり吹いている。
本当は小さな子が歩いている頃だろう。
よちよち歩きで歩き廻っていただろう。
畳の上に寝っころがって何も考えていない
夏がまた来ている。
本当は小さな子が歩いて僕の傍に来る
そんな日であるべき今日の日だ。
(7/30)