2015年12月29日火曜日

2007/11/22
113打を打った日に
苦渋の日 月が見ている 苅田哉

2007/12/03
落葉濡れ歩けばそこに、の音して

2008/3/26
蕾の桜は遠くからでもそうとわかる

2008/04/02
菜の花と18歳の享年

2008/04/07
花びらの風の行方に空の色

2008/11/09
灯がともり 岩積みの湯に もみじあり

2008/11/09
秋雨の湯煙かすむ川の音

2009/04/04
チャーチの上のその上青い空

2009/11/29
街中に明かりがともり風の祝福

2010/07/27
落雷の遠くを照らす夏の海

2010/08
暁の空の遠くに夏の音

2010/08/14
カナカナとひとしきり鳴く夕立ち哉

2010/08/23
秋風の予感させるや蝉の音

2010/08/30
電柱に秋を見ている雀香奈

2010/09/01
秋風の吹くなり夏の終わり頃

2010/09/01
木陰にはいつの間にやら秋の風

2010/09/01
窓を開けたらいつの間にか秋の風になってる

2010/09/13
間近の稲光りは空を切り裂いた雷音の刹那ですな。

2010/09/22
ああそうか、闇より暗いものはこの世にはないのか

2010/09/25
地獄へと続く希望の橋、家路へと帰る絶望の橋

2010/10/18
あるいても歩いてもまた金木犀

2010/11/03
高校生がゆっくりと道を歩いてる。君らには時間は豊穣にあるが、こっちには時間がないんだなぁ、と追い抜いてく。

殺しけり 寂しく迷う 蚊を一つ

涼しさや 月は高きに 雲の上

秋風や 月は涼し 雲の上

白き月 涼しさ高き 雲にあり

秋風や 虫鳴く空に 月やあり

1995.10.26
暖かさ 秋の陽ざしの 金木犀

秋の日の 昼間に香る 金木犀

秋の日の 昼間にそよぐ 金木犀

秋の夜に 歩けば匂ふ 金木犀

鮎はねて 水せせらぎし 昼下がり

さっきまで 君の声せし 電話かな

2015年12月26日土曜日

散り急ぐ 桜の下の 春の日に 何を求めて花は見るらん

せつなさに 心 想いてすごす日に ただこの恋よ かなえといわん


夏の日の 風追いやられ 涼しげな 日のきたること 夜に伝えん

終わりかと 思いし恋を かなえとは たれの罪かと 一人思わん

今日もまた かなえられよと 願えども いつもと同じ 日々の過ぎさる

09/08
わが想い 知るや知らずや 今宵また 夢にいでては 朝に消えたり


髪をかく その匂いかな あたたかな かなえられるか 恋の訪れ

忘れえぬ 君の残り香 美しき 君の姿や かなえられしか


この街に 吹きゆく風は 古里と 同じなれども 寂しかりけり

古の 人の知らざる 街並みを いかなる声で うたうものかな

街並みに 風の吹きつる 悲しみは 君に逢えぬか 秋の夕暮れ

街並みの 風の往く道 見つからず 舞いて廻りて この地に消ゆ

いずこより 生きる力の 来るやら 思いしものの 街にありしや

心なぞ あらずと思う 心こそ 桜の花の 散りゆくものなり


桜花 おだやかな日に はらはらと 散りては舞って 水面に流るる

桜花 おだやかな日に はらはらと 散りては舞って 街に咲くかな(1994)

08/25 蝉しぐれ
夕立の 去った後こそ 蝉しぐれ

木の葉から しずく落ちたり 蝉しぐれ

青空に しずくに映る 蝉しぐれ

夕立や 虹に響くは 蝉しぐれ

夕立の 後こそ涼し 蝉しぐれ

夕立や あがりし後の 蝉しぐれ

夕立の 時だけ止みし 蝉しぐれ

09/15
秋雨に 豆腐二丁 買いにけり

林から 風の吹くなり 真夏の日

もみじ葉に 水面映して 露天の湯

絵葉書を送ろう
暑中見舞いと夏の思い出を載せて

自分の字で描こう
イロイロな思いを託して

そうだ、絵葉書をおくろう
何か歌声を載せて
声や音楽の変わりに

小さな絵を描こう
夏の思い出だから

そうだ、詩を書いてゆこう
イロイロな思いが届くから

(2000/08)
多くの人達がいる中で彼女と会った。
彼女は微笑んで、いた。
僕に向けられたその微笑は、二人の間の秘密のようだった。
僕達はいくつもの話しをした。
そのうち、雨が降り始めた、ようだ。
彼女の浴衣が透けて、その乳房と丸い乳首がみえた。
「透けて見えるよ、着替えたほうがいい」と言うと、
彼女は着替えにいった。
覚えているのは、そこまでだった。
彼女の名前はあみと言う。

(2000/01/23)

2015年12月18日金曜日

少しお話しをしませんか。
僕の中にあなたがいます。

何かしら魅せられたようです。
あなたに。

その眼差しに何かしら
心を射抜かれたようです。

君の心を教えて下さい。
僕は君に愛を告白します。

この心の中に何かしら
伝えたい気持ちがあります。

あなたの思いをどうか
僕に見せてください。

この心を受け入れてください。
返事を待っています。

名も知らぬ君へ。

(1994/04/18)
君は僕の花
この世の全て
そのまなざしの射るところ

僕の心
光り輝いて
この喜び

全ては二人に降りそそぎ
この恋は

ともに生きん
恋ならば

すべて溶けゆかん
純粋な二人のみ残らば

(1994/04/18)
冬の海に雪が降り消えてゆくように
幾人もが時の流れの中から消えてゆく
二度と戻ることのないこの大地で
昨日まで人の手と触れていた温もりも
今では宇宙で冷たく決してもう会うことはない
いつか分子原子に戻り結合するまでは

今日もおまえはこの広い天上で
一人ぼっちの旅を続ける
この広大な宇宙でお前の体は
いつまでもいつまでも冷たく

この大地からこの広い星空を見上げても
もうおまえの姿を光学識別することは出来ない
次第に遠ざかるだけか
いつか電池が切れればそこで終わりになる

それでもお前は一人で地球を見つめ続けるだろう
この広い宇宙を飛び続ける小さなお前は
の姿のまま飛び続ける地球の長距離ランナーである
後から行くものが追いつくのはずっと先であろう

2015年12月12日土曜日

還らぬ旅路に一人行く君
戻らぬ涙に一人泣く

遠い楽園にあると言うたった一つの言葉をつかむため
いつかあなたの事を思い出し
そして僕は深い想いに駆られるだろう

今日もあなたの事を思い
そして歩き続ける

遠く還らぬこの瞬間に
あなたは今歩き始めた

おお、歩き始めたのだ
朝の風涼しく、やさしく橋の上

目の覚めないこの体へ吹き上げる川風

ああ太田川、小さな川よ

だけど風はやさしく

僕を粒子に還してくれる
血の流れたような西のその太陽を見て僕は嫌だなと思う

だれが言ったのだろう
夕日が美しいだなんて

夕日は即ちその町が一日で流した汗だ
それが血の色をしているだなんて

この街に流れた血の塊が夕日に映り人々に見せようとする
今日一日もこんなに血が流れたんだぞって

しかしそれに気付く人々はどこにもいない
人々は信じているのだ
夕陽は美しいと

だから僕は雨が好きだ

雨は流れる
それはこの空気を洗い流しこの建物を洗い流しこの大地も洗い流す

雨は夜まで振り続けるだろう
その日の空は暗く蒼い

街中を流れる雨は街そのものを洗い流し
そして新しく生まれ変わらせてくれる

空の暗い中
雨はその一滴に清い思いを込めて
人々の町に降り続けてくれる
冷たいそのドアのノブに手を掛け僕は外に出る

外は暗く藍色の空がある
驚いた事に雪が降っていた
雪は玄関のすぐ側まできて積もっていた

僕は手摺に腕を組み空を見上げた
その瞬間、僕は雪となった

藍い空から降る雪は電燈の光りを帯びて蒼白く浮き立っていた
それはまさしく降っていた

まるで自分の力で飛翔するかのように降っていたのだ

蒼く発光し僕を目指すかのように辺り一面に
蒼く澄みきったその広い大空から降ってきた

そこはまさしく美の世界であった
暗く蒼いその世界とその蒼い雪はまさしく美の象徴であった

次の朝、人々は真白に覆われたその世界を見て喜びそして驚くであろう
しかしその人たちがその数時間前のその景色を知らないということを僕は残念に思う