2015年10月29日木曜日

森の奥に降る雨と霧の違い

分かりますか

いいですね

清水が流れて

あなたがいるから

いつまでも

ここに立っていれるんです
ホタルがとんでいます 田んぼの近く

消えてしまいそうな光りなのに

まだ消えません

ほのかな香りとともに

飛ぶホタルは 僕らみたいだね

ほのかな小さな小さな光はまだ消えません

うたをうたいましょう ホタルとともに

どこかへ行ってしまいそうなのに

まだここにいます 小さな光とともに

飛ぶホタルは 僕らみたいだね

ほのかな小さな小さなホタルはまだいます
こんな海で心を動かすなんて
なんて人間だろう
決してきれいとは言えない海に
心を動かされるなんて

あの太陽だって
僕を笑っているはずだ

昔の人間はもっときれいな海を見て
喜んでいたんだとね

でも僕はこの海でいいのだ
こんなに汚くても

一人で砂浜に座って
ただ見上げるだけで
雨に当たってただ歩きたい
服は濡れて髪から滴が降りるけど
ただ雨に打たれたい

彼女に振られてわけじゃない
その逆さ

だからこの体が火傷する前に
雨に打たれたい
髪から滴が垂れている

今日誰かが死んだんだろう
この雨はその人のために降っている

彼女に振られてわけじゃない
その逆さ

2015年10月23日金曜日

僕らの横を通り過ぎたよそ風は
今、川沿いを走っている

道はどこまでも続いているわけじゃないけど
二人でずっといれる

あの木の下で休もう
草の上に腰を下ろして
二人で語ろう

今の僕は盲目さ
君はまるで目隠しだね

ただ光りしか見えないよ
太陽ではない

長い髪がそよ風に流れている
草もサラサラ笑っている

道はどこまでも続いているわけじゃないけど
よそ風に当たっていたい
100円ライターに火を点けて
夜空を見上げてみると
雪が降っています

何気なしにここに佇んで一時間
あそこにいる男は何を考えているのだろう
あいつの心に入り込んでいっしょに話をしてみたい

あの教科書に載っていた写真の南米人
今どこで何をしているのだろう
何を考えているのだろう

彼に教えてあげたい
知ってるかってね
夜の雪は白ではなく青い色をしているんだよとね

夜降る雪は解けてどこに行くんだろう
この雪だってもしかしたら
人の体を作っていたものかも知れないね

何かを覚えているかも知れないね
夜の雪は白ではない
青い色をしているんだよ

知ってたかい
君の瞳が僕を見つめる
いや僕が君を見つめたのだ

僕は僕の心の中で
君の事をこんなにも
はっきり描くことが出来るのに

君の心は僕を見つめてくれるのか
そんなことを想いながら僕の心となってゆく

君の心はいつもいつの間にか僕の心となってしまい
僕はほんの少しの希望を笑いながら捨ててしまう

透き通った真っ白な太陽と白い雲と
それを隠し切れない木の枝々と

雲から真っ白な透明な朝の太陽が漏れていた
それを隠し切れない木の枝々から
小さな光速

2015年10月17日土曜日

ある日 僕は 彼女の 瞳の前
心の 戸口を ノックする
寒いよ 外は 冷たいよ僕

だのに返事は もう以前から 聞こえてくるのに
扉は まだ 開かない
僕は 寂しくなる

どこから 聞こえてくるの
何時から 聞こえるの

歩く音 扉に 手を掛ける
クス クス 笑ってるの
意地悪だな

トン トン
僕は もう一度 扉をノックする
繰り返し、繰り返し

枯葉舞う 寒空の下
真鍮に輝く朝の太陽
この青い空において
ただ一つの偉大なる風

風色の光りが冷え切ってしまった
この空と砂浜を照らしている

もう幾分の水分もない落ち葉に
水滴を降ろしたのもこの光りなら
僕の瞳の中に音一つ立てずに
やってきたのもこの光りなのだ

何処へ行ってしまった
愛しいあの人は
いつ?

この空の上にも夜が隠れている
太陽の他に何もないと思ったって
夜がそこに隠れている

目を凝らしてごらん
そこにもあそこにも
ビルの隙間にも
夜があることが分かるだろう

隠れてるなんて
ただ見えなかっただけ
空に太陽しかないから

空をもう
ほとんど見る事もなくなって
ふと見る時は太陽だけを見ていた

だから空に夜が隠れていたなんて事に
気が付かなかったんだ

だから
ああ生地の薄そうな灰色のマフラーをして
黒いカバンをかかえた君が通り過ぎてゆく

ああ君が笑いかける
それはまるでおどけている僕を
笑ってるかのようだ

君が笑いかけている
僕に
信じてよいのかしらん

僕に
ああ君は
僕が最も好きな人であったのだ

君はこちらが望まなくとも
初めからそうである人だったのだ

君が笑いかけている
君が笑いかけてくる
僕に

君は後に母となる人
僕に
君が笑いかけてくる

(01/24)

2015年10月10日土曜日

人には時々涙したい時があります

涙流して
自分も泣くことが出来る人間なんだと
自分も人間なんだと確かめたい時が
あるのです

この顔を伝わって行くものを想うのに
涙は流れてこない
これはどんなに悲しい事か
それでもやっぱり涙は流れはしない

君への想いを涙で伝えたいのに
頬を伝わって行くものは何もない
その時に僕はどんなにこの胸の内を
爆発させてしまいたいか
涙と供にすべてを語れたなら

この僕の目に映るすべてに
涙を流せたなら
すべてを語った事になるんだ

それなのにこの瞳からは
何の水滴も落ちては来ない
君の目の前で
もし僕の瞳から落ちて来たならば
そうなったならば
僕達はその口から何かを語る涙を持つだろう
あんなに
君を求めていた僕は
いつの間にか一人で苦しんでいる

その冷たい蒲団の中で
寂しい思いに駆られる者は
いつも一人で苦しむ

どこの誰もこの苦しみを
分からない

いつも何も知らない奴らが
詰まらない事だけを言う

あなたでさえ
この苦しみを知らないのだ

だから僕の目の前から
その廊下を君が歩いていなくても
僕は一人きりで苦しんでいる

君を一目見る事に
何の意味がある

僕はいつも一人で苦しんでいる
何を迷うか
さあいっちまえよ

そんなことは誰も言わない
君と今日
一度も会わなかった

君は今日
どんな一日を過ごしたのか

今日一日見たものは
何だったのだろう

少なくとも僕は
その一部さえ知ってはいない

これではまるで他人じゃないか
だから僕はいつも一人で苦しむのだ

(01/22)
誰かがこう言う
僕らの船出の時だって
どこへ行く
どこへ飛ぶ

僕に何の別れも告げずに
君は行ってしまうのか

君は自分の足で
もう歩いて行くのか
青空の下を

同じ大地と人は言うけれど
そのことに何の意味があるのか
あいつは目配せもせずに
行ってしまった

僕が気付いた時に
奴はもうここにいない
消えてしまったのだ
わかるか

彼は何も言わずに
行こうと言うのだ
僕に会わずに
奴は行ってしまったのだ

(01/22)

2015年10月3日土曜日

その笑顔が
いつの間にか長くなった髪が
いつの間にか遠く離れて行く

僕の腕の中
瞳の外へと去ってゆく

ああどこへ行く
君を引き止めるのに
何の重力もないのか
この思いは

どこへ歩いて行く
どこを歩いてる
君のその瞳が
今、何を見つめてる

雪の降りそうな青空の下
見つめるものは何

この木、この校舎
僕の姿はもうその中にはどこにも
ないというのか

どこへ行く
どこへ行った
僕の僕の
目の前へ
もう一度

(1/22)
11月だって
11月だって
今日は何時だ

もう一月も中旬だ
なんということ
もう半年も経ってしまってる

この学校で
あの廊下で
そしてあの教室で

既に半年もの月日が経ったのか

(1/22)
いつの間にか時が過ぎてしまった
人がどんなに頭を働かしたって
時間を捕まえることなんて出来やしない

僕が考えるのに
哲学なんていらない
人を動かすのに
暖かな秋の陽射しと
初冬の寒風さえあればいい

自殺をした少年がいた
彼も生きていた
されど僕も生きている
もし彼に恋する人がいたならば

僕はもう待つことが出来ない
時間の中で痛くて堪らない
僕の脳が化学結合をしたり
しなかったり
そんなのは嫌だ

例え僕の体が分子のみの
集合だとしても
僕は生きてゆく

もっと熱く自分を鍛えよ
もっと血を熱く
誤魔化しであったとしても
僕は彼女と結ばれたい

(11/21)
隣にレースのカーテンを引いた
窓が見える
僕と同い年の女の子が住んでいる
背は高いようだ

風呂上がりの僕は
髪から水滴を落としながら
本を読む

レースのカーテン越しに
人影がする
セーターを着ているようだ

僕は今までどのような映画からも
受けられなかった実在の空間へ
入ってしまった

この窓越しにいた人は
まさしく生きているのだ
僕は顔も見た事のない
その全く知らない生活というのを
彼女が部屋の内で歩くことによって
僕に示したのだ。

僕は人が生きているということは
感じることが出来ないと思っている
しかしこのとき彼女が示したのは
生きてるという心ではない

生活というものだ
僕の全く知らない人のその生活を
僕は見てしまったのだ
しかも女の子であったとは

僕は彼女の示した
その動作から
彼女の生活というもの
そして
彼女が一つの意志をもった
人間であるということを
あらためて知ってしまったのだ


(11/11)
これはあなたの仕草ではないか
そういう錯覚に襲われる

友達と話をしているとき
ふと
眼鏡をかけ出してからは
さらに酷くなっていく
この笑いはあなたの笑いだと

この頷き方はあなたのものだと

これは何を意味するのだろう
僕の無意識な
あなたへのコピーだろうか

それともこれは
あなたと僕が兄妹であることの

どこかであなたと僕が
結ばれていることを
示しているのだろうか

(11/10)
もう遠い昔
もっと僕が幼かった時
僕は始めて恋を知った
君に会った時だ

僕は教室で
どんなだったろう
今は悲しむように
思い出すしかない

もっと幼い恋ならば
僕はこんなことも考えず
ただ生活の中で
あなたがいればよかったでしょう

でも今の僕は違うのです
僕のこれまで見てきたものの
すべては
すべて君というフィルターを通さなければ
もう思い出す事が出来ないのです

僕にとって僕の想い出は全て
あなたに聞かすための物語となったのです

もっと幼い恋ならば
僕は僕の為に自然の中で
寝転ぶこともできたでしょう

しかし今の僕は
草の息吹も花の香りも
そして木々の風も
すべてあなたに贈る贈り物と
なってしまうのです

あなたとの暮らしを勝手に想像して
これからあるべき生活を考えてみるのは
実に楽しいことです

しかし忘れてはなりません
その考えは一息ついた途端に
すべて忘れてしまってると
いうことを

(11/09)