この雨は彼女の上にも降る
彼女はそれに気付かない
(2003.06.11)
僕に苦しみを与える人
僕の苦しみを救ってくれた人
色々な人が
僕の周りにいる
夜も遅く
病院近くにある
大きな桜の木が
花弁を散らせていた
それを見上げている
僕の為かのように
僕は祈る
僕の為に散らせてよ、と
その時に
あの人の事を思うことない
ただ何かを願う
そして
花びらが一つ
桜の枝から
散って来たのだった
(2003.04.11)
三月が終わろうとしている
冬が終わり
だんだんと
暖かな春が来る
今日
桜の花を見た
蕾一杯の枝に
一つだけ咲いている桜
たぶん
来週には
枝一杯の桜が
咲いているだろう
その花だけは
君と見たい
その時だけは
君が側にいて
欲しい
多分
恋している
この時間の流れの中で
何とも取り代える気はない
生れて
初めて
そう思う
そんな気持ちを
抱きかかえている
(2003.03.27)
満開の梅の花を見て
誰かの事を想おうか
枝一杯の花びらを見て
誰の事を想おうか
その花弁の一片が
君の髪を飾る時
誰が花の事を想おうか
梅の花が美しいと
段々と思うようになってきて
満開の淡い花びらが一杯に広がって
誰が君の事を想おうか
君に見せたいと
(2003.03.15)
今から三日もあれば
好きになれる
君を好きになれば
一日でもっと大好きになる
夢に出て来ては
僕を見つめ去ってゆく
だけど
言葉がなくて
言葉が聞こえなくて
言葉を話さなくて
好きと嫌いはスイッチじゃない
幾つものグラデーションがあって
寄せたり引いたりしながら
気持ちになってゆく
そして
君を見ていると
ダンダンとこの気持ちが
強くなってゆく
(2003.02.01)
11月から雪の降るこの年に
暖かなある秋の一日があった
空が澄み
陽射しのそそぐ朝があった
そんな朝が社会と係るようにと
僕の背中を押す
そして僕はその空から
深呼吸をもらって
人混みの中へと歩いてゆく
(2002.11.17)
明るい雨上がりの朝に
花びらが名も知らぬかのように
はらはらと去ってゆく
幾千もの人のように見える
その散り急ぎをどうか引き止めて
(2002.03.30)
ほのかに香る梅の花
闇の中に照らされて
真っ白ににじむ
小さくぱらっぱらっと
咲いている
あゝこれは今年の春か
あゝあゝ
誰の事を想おうか
(2001.03.16)
うわーお、いい空だなぁ
これが春の空なんだ
三人で電車に揺られて
どこまでも行きたいなぁ
(2001.03.06)
昨日の夜はこの国に確かに
泣いていた女が一人はいた
その女は別れてボロボロと
泣いていた
夜の闇は
涙を隠そうとして
星はよりいっそうの輝きを増す
人の悲しみや辛さを
何も分かろうとしなくて
昨日の夜は
いっそう暗闇を強くする
何も語れないけれど
ただ
星や月明かりで
照らしている
その女は
気付くこともなく
ただはらはらと
涙を流していた
(2001.03.25)