それは何んであったのか?
星座だったのかも知れないし
声の美しさかも知れない。
彼女は女神だったのかも知れないし
それは母であったのかも知れない。
美しさは彼女の肉体かも知れないし、
だが、なつかしい、あの人の心であったかも知れない。
本当は星になるのかも知れないが、
きっと、夫婦であるかぎり、人の一生は、
二人が死ぬまで続くと言う事を、
知っていたのかも知れない。
僕のこの世の生が終わるのは
彼女が死んで僕が往くまでか、
僕が死んで彼女が看取られるか、
迄なのだと思う。
今の僕には、この船の行く先は、何も感じられない。
だが、僕はどこかへ行こうとし、何かになろうとしている、
その空間だけは、口を開けて待っているのだ。
8/6
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