2012年6月18日月曜日

この空が飲み込んでいる
毎日吐き出される大地の声。
雑踏の中で夢見ている人々の足音。
何んと穢らわしい夢の数だ。
幾つもの詩が失敗して吐き捨てられていた。

空が見ていた。
哀しくはない、けれど、自信はない。
いつか急に落ちてくるかも知れない。
なんと汚れた大地だろう。
この雑踏の真上の空が美しいのは
永遠だろうか?

僕が指さす天の真上に、
満月が、高く、白く、輝いている。
雲の流れも、街灯も、
隠す事はできない、夜の星も、
この月も、輝くだけで
人は問ふばかりだ。

いま月を見ている人が僕一人でない様に
過去に見ていた若人がいた。
彼は何を口ずさんでいたのだろう。
月が語る言葉を静かに聞いていたのだろうか?

あらゆるものから眼を反らしたくなる。
汚れきった虚しさに立ち止まる。
遠ざかってゆくと僕の力は失せてゆく。
次から次へと僕の歩みの幅は小さくなる。

月が空を流れてゆく。
それから流れる音が
地上の音を打ち消す。
その音はどこにいても同じだから、
僕はここに居る。

だが、自分が何者だろうと
空が明るくなるには、まだ時間がある。
その音を聞くには
何もいらないはずだと思い見続けた。
東京を薄暗い霧が覆っている。
月に語られた神話を口ずさんでいると
あの永遠の輝きと空間にある星が、
なんだか美しくなってゆきます。

2012年6月10日日曜日

同じ空の下と言いながら
僕は君と同じ空を共有していない。

君が今日見ている空も、僕は永遠に見る事が出来ないのです。
いつか、君の事を知りたい。

もっと早く、もっと早くと
僕を急かしてみても
日々の中で
僕の力は、まっすぐになっていない。

だけど、君を連れて空へ行こう、
僕はそういう人になったよ。

秋が深くなりました。
木々が紅く染まりました。
心地よい夜の風が、
高く澄み渡った空が、
人の頬を染める。

2012年6月4日月曜日

23回目の秋がきました。
二度と会えないこの空を見る哀しみを
遠くにいる君は分かってくれるのだろうか。
同じ空など君と僕の所にはない。

空に青色の雲がたなびき
赤く染められて流れてゆく。
この地上で
空は僕の方へと流れる。
これは終末の空だ、
だが、
僕たちは自由だ。

広い広い夜の空の下に光る月がありました。
十五夜の白く輝く月でした。
まっ暗な部屋で寝ころんで見上げるその月は
窓辺にやってきた、異国の人のようであり
太古以来変わらず、
人が変わっても、
輝く月でした。

せつない歌はもう終わりました。
今は哀しい歌です。
秋の空に感じる青色に染まり
溶けてゆきたい。
夜の道をゆくあの雲の大団にのり
どこかに連れていってもらいたい。

風が吹いて、僕はどこにも行かない。
ここに居る。

海に、恋をしていたのだろうか?
繰り返す波が呼ぶその名前に。
空に、恋をしていたと思う。
遠く青き背景に確かにいた君に。

心地よい風が
すみ渡った空から吹いて
僕は君を想う。

いつかこの世界が
君の心に囁くだろう。
そういう時は
月を見るがいい。

君は新しい始まりと思うだろう。
駅を出ていく列車の
暗闇の中にとけてゆくを見るは、
電燈に照らされて
一人たたずむ僕です。

そこに見つけたものは
人と人とが生きてゆく
人生そのものでした。

もし神がいるのなら
何故こんなにも多くの人を生み
そして別れ別れにするのだろうか
それともこの駅で降りてゆく人たちとともに
僕にも行けと言っているのだろうか。

暗がりのレールの上で
残った赤い燈火も
次第に消えてゆく。

たたずんで夜の終わりの時間に
悲しみを覚えていたのは
雨のあがった日に別れた君でした。