雪を湛えた連峰
世界で最も聳え立つ月
人を拒絶する強風が
高度一万メートルの上昇気流で
青空となる
月に最も近い大地で
春になると
鶴の群れが上昇気流に乗って
ヒマラヤ越えに挑む
何度も何度も繰り返しながら
天候に失敗しながら
その小さな鶴の群れは
飛び続ける
どうしかして山を越えようとする
飛行機ならば楽にその上を飛ぶことだろう
しかしその何が美しいのか
何がすばらしいのか
彼らは弱い存在かもしれない
しかし彼ら自身に山を越える
絶え間ない意志があり
彼自身に山を越える力がある
本当は宇宙まで飛びたいに違いない
それを超えるべく人は水素を燃やし
無重力空間を漂わねばならない
(2000.07.06)
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