この街に捨ててしまったものがある
それは人の顔だったり
お金で売られた体だったり
誰も拾わない
それは誰かのものであったのに
誰にも見向きもされず
捨てられている
この街で残っているものがある
捨てられて見向きもされなくて
それでも誰かを待っているような
誰かがいる
この街には誰かがいる
誰もいなくなった街なんて
――誰もいない街
それでも――
この街に戻ってくるものがある
誰もいない街のように
一日中誰とも話をしない日も
あるけれど
何故だろう
またこの街に戻ってくるものがある
誰かがどこかで
今も一人で何かを思いつめているから
(1997.09.01)
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