2014年11月28日金曜日

この街に捨ててしまったものがある

それは人の顔だったり
お金で売られた体だったり
誰も拾わない

それは誰かのものであったのに
誰にも見向きもされず
捨てられている

この街で残っているものがある
捨てられて見向きもされなくて
それでも誰かを待っているような
誰かがいる

この街には誰かがいる
誰もいなくなった街なんて
――誰もいない街

それでも――
この街に戻ってくるものがある
誰もいない街のように
一日中誰とも話をしない日も
あるけれど
何故だろう

またこの街に戻ってくるものがある
誰かがどこかで
今も一人で何かを思いつめているから

(1997.09.01)

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