あの空を見上げることはもうないのね
憶えているかしら
小川に行った夕涼み
光り舞い飛ぶ蛍がいたのを
音だけが聞こえるせせらぎに
揺れる草に明かりが止まる
それはもうはるか昔のことなのね
憶えているかしら五月の空の下
青い稲が揺れていたのを
風が吹き田の水が揺れる
清んだ水
流れゆく音のそばであなたは笑う
今はもう聞けない
雨の降る日 昼下がり
赤ん坊の泣く声
あなたの子供
この家にしみ込んだ
あなたと私の想い
それは次の子供らへと受け継がれる
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