湯煙の伊予を歩きて坂の上
2013/01/09
冬空と道後に火照る湯屋の中
2013/01/09
松山や城下に笑う女たち
2013/01/09
暖かな冬の一日や伊予の町
ずんぶり湯の中の顔と顔笑ふ 種田山頭火
温泉めぐりして戻りし部屋の桃の活けてある 河東碧梧桐
ふるさとに花の山あり温泉あり 高浜虚子
夫れ日月上より照りて私せず神井下に出でて給へずということなし 聖徳太子
このほたる田ごとの月とくらべ見ん 松尾芭蕉
伊予の湯廼汀(ゆのみぎわ)にたてる霊の石これぞ神代のしるし成ける 古歌
春や昔十五万石の城下かな 正岡子規
2013/01/13
長い静岡を超えて新幹線は小田原を通過した。あたりは真っ暗でオレンジや白の街灯が見える。
2013/01/14
窓の外雪が落ちてく音もなく
2013/01/14
積もり雪滑り落つるや夜の音
2013/01/15
雪道に出掛ける時は長ぐつで。そうでないなら何をした所で負け戦の撤退戦のつもりで。
2013/01/16
晴れるとも夜も冷たし雪のあと
2013/01/16
大きな山なら遠くからも見れる、名山なら見たことなくともその名を聞く。しかし私が好むのは目の前にあるこの山だ。
2013/01/16
雪に汚れたこまちが終点にただいま
2013/01/16
何十年と久方ぶりのこだま
2013/01/27
ああ、羊。いまこそ時は、お前の時だ。ああ、羊。いまこそお前は、肉の果て。
2013/01/27
寒き日の夜半に登る青い月
2013/02/07
音が止み雪へと変わる窓の外
2013/02/11
みかんを食べている。昨日まではいよかんだと思っていた。
2013/02/13
さざんかに雀がとまる切り絵かな
2013/02/13
さざんかや雀の陽だまりに咲く花
2013/02/13
雨粒が足音ひそめ雪になる
2013/02/24
くらやみの窓を開ければ月が咲く
2013/02/27
朝かたの凍えるでもなし三月雨
2013/03/02
春近し風に見舞われて一日
2013/03/06
辿り着く同じ道には梅咲きて
2013/03/08
過ぎてゆく同じ道かと梅が咲く
2013/03/15
ラファエロも円空も見ずにグレコ
2013/03/19
春風に吹かれて何処へ飛ぼおかい
2013/03/19
母子連れ田圃にれんげの咲いた頃
2013/03/21
春風が唸って夜の静けさ
2013/03/21
春の夜雨戸を揺らす音おと音
2013/03/26
その日には花は咲くより散るがいい
2013/03/26
どうやら歯が魅力的らしいです。
2013/03/28
街灯に照らされた花雨に濡れ咲きにおうよに色を染めてく
2013/03/30
この春のこのいちにちを忘れじと散ってゆく桜音も聞えず
2013/03/30
忘れじと散りてゆくのかこの桜
2013/03/31
つばさを切り離しやまびこは地を這う
2013/03/31
春の日に花の方から鳥が啼く
2013/03/31
花びらにまみれて走りさる女
2013/04/06
花が散り落ちて流れて揺れて消ゆ
2013/04/07
雨音で目が覚めて春眠れず
2013/04/12
花のかけら残りし枝になりゆきて忘れゆく日々に君が夢に出ず
2013/04/12
春の日に予告なく君が夢を見る
2013/04/14
桜は背景に山がある方がらしい。萌黄や深緑が補色の関係にあるからだろうか。田舎らしさが郷愁を誘うからだろうか。都会の桜が物悲しそうなのもそうだからだろうか。
2013/04/24
今日は一日中、雨ったり雨んなかったりするの?
2013/04/25
凛として音を吸い込む銀世界
2013/05/08
問題と言うものはいつも、堰き止めているものを取り除いて水が流れるようにしながら田圃の畦道を歩くのに似ている。
2013/05/10
アスファルト降り始めの匂い春の雨
2013/05/13
名も知らぬ線路の隅に揺れる草
2013/05/13
夕暮れの雨雲ふじを隠しけり
2013/05/13
空が青を失い次第に退場を始める。月がただ浮かぶ。山から夜が始まっている。
2013/05/19
たたら鉄、桂の木に止まれ白鷺
2013/05/19
グライダーの様に飛び、滑空し、やがて落ちる。
2013/05/20
音楽は悲しみと対峙するものだった。音質を気にした事などなく雑音まじりのラジオから聞えてきたのはスターダストメモリだった。
2013/05/30
寝静まったマンションの外は梅雨入り
2013/05/30
空がある。そこに行っても何も掴めない。外側から見た時にだけ空はある。空がある。そこに入れば空でなく、その外に出れば空になる。
2013/05/31
空一面を雲が棚引く梅雨入り
2013/06/10
これから私は闇の奥深くへ赴きます。私からあなたに返事を返す事はないでしょう。それでもあなたが私が動いている事を信じてくれるなら。もしかしたらあなたの一生よりも長く、星の寿命よりも長く、私が動いている事を信じてくれるなら。あなたが信じてくれるなら私は行く事ができます。
2013/06/11
朝帰り歩道に匂うプラタナス
2013/06/11
プラタナス夏の虫取る萩の町
2013/06/16
ガラス戸に蚊をおしつぶし我もひとり
2013/06/16
梅雨の日に雀が止まる板塔婆
2013/06/19
道にひら黄の揺れ舞う二匹のてふ
2013/06/21
ガッチャマンの色は空色なの!
2013/06/24
おー、雲間の光だー。天使がピヨピヨと飛んでいってるなー。
2013/06/26
猫は木の梢を見上げて考えていた。朝の空に。誰もいない世界で。長い時間を。
2013/07/09
太陽と張り合う如し雷雲きたる
2013/07/13
プラスチックのパスタが光に照らされて、どこかで作られたフォークがくるくると夜を巻き込む。流れてゆく紅い断崖になめくじがいくさの準備を完了した。
2013/07/14
真夏日に涼しさ来るや雷鳴
2013/07/27
風がいる雨降り始む鈴がなる
2013/08/02
手をとめて窓の外には蝉がいる
2013/08/05
夏の日に秋の混じった風が吹く
2013/08/18
坂道をぐんぐん登る自転車の通り過ぎるを見送る夏
2013/09/20
星空に輝くばかり秋の月
2013/09/20
森の奥深くに秋が横たわる
2013/10/9
電車の中で見知らぬ白人の人がパンをおもむろに取り出して食べててこの人らには主食、僕には主食でなくて嗜好品だけど長い間辿ってきたものが違うんだろうなぁ一万年前の先祖はこんな所で巡り合うとは思うまいと思っていたらパンが食べたくなってきて上野でパン買う。
2013/10/13
鉄道は寂しさを載せて走る。999。
2013/10/13
別々に見上げて香る秋の花
2013/10/16
雨漏りとかびだらけの住処なり
2013/10/16
雨音に囲まれて寝る颱風
2013/10/17
本棚の裏が黴だらけなのを見た時に、始めて人は腐海がどういう所かを知るの。
2013/10/20
芝の上蛙やお急ぎ冬間近
2013/10/20
とたん屋根秋雨の降る枕元
2013/10/20
色褪せた残り少なきあきあかね
2013/10/26
海の中雨の波紋を見上げてる
2013/10/26
雨の音も水の音か秋の終り
2013/10/27
秋晴れになりそうな日の旅支度
2013/10/29
秋雨にビールとビートルズの月島
2013/11/01
われ知らぬ残り香のなかみつめればきみは恋するいずこにありし
2013/11/01
秋晴れや風邪ひきもののうどんかな
2013/11/04
秋雲が亜空間へと流れてく
2013/11/04
手の甲にひと休みする秋茜
2013/11/04
せせらぎは秋の夜もただ流るる
2013/11/14
クルマエビと比べられるブラックタイガーが不憫で可哀想だ。
2013/11/16
蒼夕の秋桜の如く月がある
2013/11/23
紅葉や染めては沈む水落ち葉
2013/11/25
炭火の香り?そりゃたぶんガスの匂いだ。
2013/11/29
川瀬巴水は空気まで彫られているよう。
2013/12/03
遠方の青し大山雪ばかり
2013/12/30
崖から飛び降りて顔がぶんぶくちゃがまになってという表現に感心したが、よく読んだら、顔もはんぶんぐちゃぐちゃになってだった。
2013/12/31
除夜の鐘鳴りては時の過ぎて行く二度と来ぬこの年を刻みて
2013/12/31
柏手を打つまでしばし雪乃中
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