真夜中の寝静まった街を一人歩くと。
空がいやに明るくて雲さえ見えてくる。
うすぼらけの月があった。
月を見ていると何もかもが分かったような気がする。
風に吹かれていると生きていることが分かったような気がする。
誰かに呼ばれた気がして遠くをのぞむ。
やはりとどかないあの月には。
人類があの月に立ったというが
僕には捕まえる事はできないよ。
いつかあの月の光を失う程に食い尽くすかも知れないが、
それは僕達の子供たちの問題だ。
どっちみち僕達には任せない方がいい。
食い尽くすに決まっているから。
届かない月を見上げていると全てが。
何でも受けとめる事ができそうだ。
例え死に土に帰るのだとしても。
かすれてゆく。
誰かに呼ばれたようで、この夜に。
忘れられない。
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